こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。
本日は目の奥が痛む頭痛でよくある原因を書きます。
目の奥が痛い頭痛で考えられる主な原因
1.眼精疲労
目の痛みやかすみ感、充血などを引き起こします。目の疲れは周辺の筋肉も緊張させるため、よく頭痛や肩こりを併発する事があります。
2.緊張型頭痛
最も多いタイプの頭痛です。目の奥の痛みを併発する事があります。ぎゅーと締め付けられるような症状で、肩や首の疲労感、ストレートネックなどが原因です。
3.偏頭痛
片頭痛とも書きます。目の奥の痛みを併発する事があります。脈が波打つようにズキンズキンと痛みます。痛む箇所はこめかみが一番多く見られます。
4.群発頭痛
片方の目の奥に激しい痛みを生じます。ある期間に集中して症状が起こるのが特徴で、1~2ヶ月間に渡って連日痛みを起こす場合もあります。
5.副鼻腔炎
鼻の中の空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。鼻水や膿が溜まり悪化した状態です。前頭部の頭痛、おでこや鼻上の痛み、目の奥の痛みを起こします。
6.脳疾患
脳梗塞や脳腫瘍など、頭の病気によるものです。必ずしも頭痛を併発するとは限らないため発見が遅れることもあります。
7.緑内障発作
突然眼圧が上がり、目の痛みや充血、視界のかすみ、頭痛、吐き気などを起こします。片目だけが充血しかすむ症状がある場合はこの病気が疑われます。
Q.目の奥の痛みは何科を受診すべきですか?
頭痛を併発している場合は脳神経外科または脳神経内科が第一選択肢です。推奨はMRIかCTのあるクリニックです。設置がない場合もあるので、必ず事前に調べてから行ってください。頭痛診察の王道は最初に検査で脳疾患の有無を確認する事です。検査機器がないクリニックだとこの工程が実施できません。
症状が目だけの場合は眼科への受診が第一選択肢です。注意すべきは群発頭痛の場合に眼科へ行ってしまうケースがある事です。群発頭痛が疑われる場合は脳神経外科か脳神経内科でのMRIやCT検査で脳疾患を否定した後、消去法で群発頭痛との診断が下るケースが一般的です。
Q.一番多いケースはどれですか?
眼精疲労です。これには緊張型頭痛、偏頭痛も含まれます。眼精疲労起因の頭痛という事です。典型的な現代病の一つです。姿勢が悪い状態や、適度な休憩を挟まずスマートフォンを長時間使用する事で簡単に起こります。経験した事がある方も多いのではないでしょうか。
少し前の時代であれば、それがスマホではなくパソコンやテレビでしたが、その二つよりもスマホの方が頭痛を起こしやすいのです。理由は極端な前かがみの姿勢を誘発しやすいからです。ストレートネックという言葉を聞いたことがありますか?本来、首の骨はCの字状に曲がっているのですが、これが真っ直ぐな状態に歪んでしまうのです。ストレートネック、眼精疲労、頭痛と3点セットになっている患者様は珍しくなく、最もそれを引き起こす原因がスマホなのです。ですがスマホを使う事が悪いのではありません。大事なのはその使い方です。
Q.副鼻腔炎で頭痛は珍しいケースですか?
いいえ、実は大変多いです。当院では年間100人以上、副鼻腔炎の方が見つかります。当院は普通の脳神経外科クリニックですが、これだけの数が見つかります。その中には目の奥が痛く、頭痛があるという症状の方がおられます。本来MRIという検査は保険のルール上、一回の検査で一箇所しか調べることができませんが、脳を撮ると鼻も一緒に映ってしまうのです。場所が近いからです。その為、脳と鼻は一度の検査で両方調べられるお得な検査です。
Q.眼精疲労で脳疾患のケースは多いですか?
そこまで多くはありません。ただ、目の奥の痛みで脳梗塞が見つかるケースは時々あります。脳腫瘍は0とは言いませんが、有名な脳疾患と比べると件数が少ない為、頻繁に見つかるものではありません。じゃあ、病院へ行かなくても良いという解釈は間違いで、脳疾患でなくても原因の目星を付けて治療する必要があります。そうしないと、また眼精疲労と頭痛を繰り返すことになります。
まとめ
眼精疲労は現代の社会生活上、とても起こりやすい状況です。しかしながら、生活に支障が出るレベルの眼精疲労は絶対に避けるべきであり、常々「目を大切にする」という意識は持つべきです。痛み止めや目薬で一時的に問題を解決することが出来ますが、根本原因を取り除かねば再発することは目に見えています。この記事を見たのも何かのご縁です。これをきっかけにご自身の身体のことを、目のことを、姿勢のことを考えてみてください。
◆眼精疲労が酷い方へ◆
アイマッサージャーがお勧めです。目を温めながら振動を与え、緊張した筋肉をほぐしつつ血流を改善し、疲労感を取ってくれます。大体10分~15分ぐらいの時間ですが、目の疲労には一番効くとの声が多いです。
Q.頭痛が起きたらどうすれば良いですか?
こちらの動画をご覧ください。
記事監修
院長 泉山 仁
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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