くも膜下出血

漫画でわかるくも膜下出血

くも膜下出血とは脳の血管が破裂する病気です。まずはこちらの漫画をご覧ください。

 
著:みもふ様
ご好意で掲載許可をいただきました。ありがとうございます。
この漫画の全編は
こちらでご覧いただけます。

くも膜下出血とは?

くも膜下出血くも膜下出血は脳の血管が破裂し、くも膜の下に血が溜まる病気です。

脳には酸素と栄養素を届ける太い血管が沢山あります。この血管が破れて出血を起こすと、脳の表面を覆うくも膜の下に血液が流れ込みます。

くも膜下出血は命の危険に繋がる発作です。症状が現れたらすぐに救急受診してください。なお、前兆症状がいったん治まり、その後くも膜下出血を起こすこともあります。前兆症状が起きた場合も速やかな受診が必要です。


くも膜下出血の症状

  • 突然の強い頭痛
  • 経験したことがない激烈な頭痛
  • 金属バットで頭を殴られたような痛み
  • どんどん強くなる頭痛

くも膜下出血の前兆症状

  1. 血圧が激しく上昇・下降します
  2. 頭痛はそれほど強くない場合もあります
  3. 視力低下、めまい、吐き気や嘔吐、意識低下など

前兆症状はしばらくすると消え、その後にくも膜下出血を起こします。前兆症状だけの場合も速やかに受診してください。くも膜下出血は自力で病院に辿り着ける状態か、意識不明で運びこまれる状態か、で生存率が激変します前者ですぐに病院へ行かず手遅れになる場合があります。特に我慢強い方ほどやりがちです。前者は8割以上が助かりますが、後者の生存率は2割以下です。早期発見は生存率に大きく関係があり、その早期発見に繋がる検査がMRIです。いつもと違う頭痛は「念のため検査を…」という意識が命を救うことになります。


死亡率

くも膜下出血の死亡率は?

くも膜下出血の死亡率は約3~4割です(年代、性別不問の場合)。生存された方のうち半分が後遺症を発症し、残りの半分の方は社会復帰されるまで回復します。全体を分類すると以下のようになります。

1/3:死亡
1/3:後遺症発症
1/3:社会復帰

死亡率は発症時の年齢によって大きく変動します。若い方ほど生存率が高くなります。

40歳代での発症:死亡率10%
50歳代での発症:死亡率20%
60歳代での発症:死亡率25%
70歳代での発症:死亡率50%

また、意識不明の状態で病院に運び込まれる方と、自力で病院にたどり着く方の生存率は大きく異なります。

自力で病院にたどり着ける方:生存率80~90%
意識不明で運び込まれる方:生存率10~20%

「今日は頭の様子がおかしい…」と感じた時に、もし原因がくも膜下出血による場合、、、

「すぐにMRIを受けるのか」あるいは「我慢して経過観察するのか」。
どちらを選ぶかで、生存率が全然違うということです。
※自力で動ける場合のお話です。

同じく脳卒中である脳梗塞や脳出血と比べると発症人数は少ないですが、くも膜下出血は最も死亡率が高いです。意識があるうちの早期発見が極めて重要です。


星野源さんの実例に見る

歌手や俳優として活躍されている星野源さんをご存じでしょうか?数年前に新垣結衣さんとの恋ダンスで話題になった方です。彼は過去にくも膜下出血を経験していて、2度手術を受けています。それは彼が31歳、32歳の時に起こっています。1度目は強烈な頭痛で救急車で運ばれており、2度目は助かるかわからないと医師に宣告されています。ですが、現在は後遺症もなく元気に過ごされています。

星野さんが回復された要因を挙げてみます。

  • 年齢が若かったこと
  • すぐに治療を受けたこと
  • 定期健診を怠らなかったこと
  • 再発を早期発見出来たこと

くも膜下出血が命を脅かす病気であることに変わりはありません。しかし、若年層はかなりの確率で助かります。前項目で説明した通り、40歳代での発症は死亡率10%です。30歳代ならさらに死亡率は下がります。想像以上に多くの方が助かるのです。そして星野さんのように後遺症なく社会復帰できる例もあるのです。


もし、くも膜下出血が起こったら、、

Q.助かる為には?後遺症の確率を下げるには?

A.「躊躇せず直ぐに受診する

早期発見、早期治療。これに尽きます。


くも膜下出血は症状が特徴的でわかりやすいです。突然強烈な頭痛が起こります。よく経験者の方は、体感した事のない強い痛みと言います。つまり、激烈な頭痛は躊躇せず直ぐに受診する。が回答となります。

そして当院は脳神経外科なので、脳疾患全体で言える意見も加えておきます。
おかしな頭痛、いつもと違う頭痛も早めに受診する

脳疾患=全てが強い症状が出る、とは限りません。何かおかしいと思ったら早めに受診してください。当院でもMRI検査を行えますので、どこへ行けば良いかわからない場合はご検討ください。当院は横浜市青葉区にある脳神経外科です。田園都市線藤が丘駅より徒歩8分です。


~当院の経験上のお話~

「くも膜下出血が心配で…」と受診される方は時々おられます。受診動機の大半は、身内や知り合いがくも膜下出血になった、または有名人がくも膜下出血になったニュースを見た+ご本人に頭痛などの症状があるという状況です。頭痛はあるけど腰が重く、病院へ行く気にならないという中で、背中を押す事案、あるいは頭痛の悪化があるとご来院されます。当院の経験では「ご推察通り、くも膜下出血でした」というケースはほぼありません。

ですが、受診は無意味ではありません。むしろ意義は大きいと考えます。受診した事で脳梗塞や慢性硬膜下血腫といった別の脳疾患が見つかる事があるからです。また未破裂脳動脈瘤が見つかって、「生活に気を付けないと、、」と気持ちを新たにされるケースもあります。「普段病院には行かない」という方や、「MRIを受けたことがない」という方には、特に恩恵が大きいと感じます。

実際、一度ぐらいは検査をしておいてもバチは当たらないです。お越しになる患者様にもそういう気持ちはあると思います。何も問題がなかったとわかれば晴れやかな笑顔で帰られます。安心感が得られる事もメリットなのです。

原因

約90%は脳動脈瘤の破裂から発症するとされています。

脳動脈瘤とは?

脳血管の一部がこぶ状に膨れ上がったものを指します。こぶが大きくなると血管が破れやすくなります。破れるとくも膜下出血となり、生命に危険が及ぶ状態になります。破裂していない動脈瘤を未破裂脳動脈瘤と呼びます。

詳しい解説はこちらをご覧ください。

脳動脈瘤には自覚症状がありません。脳動脈瘤の有無を確認するためにはMRIによる詳細な検査が必要です。破裂していない状態で治療が可能であれば、くも膜下出血の予防につながります。なお、脳動脈瘤は先天的なもの、生活習慣病などによる動脈硬化が関与するもの、ストレスや動脈硬化によるものに分けられます。脳の健診と言われる脳ドックでは、受診された方の約3~6%に破裂していない脳動脈瘤が発見されます。


治療法

MRI検査くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂して起こることがほとんどです。別名:脳動脈瘤破裂ともいいます。発症前に未破裂の脳動脈瘤が存在していて、それが破れて起こります。脳動脈瘤破裂以外に、脳動静脈奇形や脳動脈瘤解離で起こるくも膜下出血もあります。詳しくはMRI、MRAという頭部のMRI検査を行えば、くも膜下出血が起こる前に発見、診断することができます。

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で最も危険なのは、再出血です。再出血してしまうとダメージがそれだけ深刻になり、命の危険にもつながります。再出血を起こさないために、手術が必要になるケースもあります。破裂していない脳動脈瘤は年間約1%の確率で破裂するとされていて、できた部位、サイズ、形によりその確率は変わります。経過観察でサイズ増大を認めるものはさらに破裂する確率が高くなるとされています。

脳動脈瘤の中には手術による治療が難しいものもありますが、未破裂の脳動脈瘤は基本的に手術を行うことでくも膜下出血を防ぐことができるため、手術可能かどうかを適切に判断できることが重要です。当院では、長く大学病院で脳神経外科専門医として臨床・研究を行ってきた院長が、MRI検査などにより精緻な診断と最新の知見を生かした適切な治療方法のご提案を行っています。


未然に防ぐには

くも膜下出血は、脳動脈瘤が破裂して起こることがほとんどです。ですから、脳動脈瘤を作らない、既にある場合に大きくしない事が予防になります。出来る事は至ってシンプルです。健康に過ごす事、生活習慣病にならない事です。もう少し具体的に言うと、高血圧・脂質異常症・心筋梗塞・糖尿病・歯周病を避ける事です。肥満、暴飲暴食、過度な飲酒、喫煙などがこのリスクを高めます。荒んだ生活をしている方は、生活を改めることでくも膜下出血のリスクを下げることができます。特に未破裂脳動脈瘤がある場合はご検討いただければと思います。普段から健康に気を遣っている方には特別に効く対策はありません。ですので、万が一に備えてこの2つを心に留めておいてください。

  1. くも膜下出血の事を知っておく(特に症状の事)
  2. 下手に我慢をしない(早期発見が非常に大切です)

いつもよりも強い頭痛を感じたら・・・・

一人で悩まないでください。家族や友人に相談したり、スマホでインターネットを調べたりする方が多いと思われますが、自己判断は大変危険です。出来るだけ早めに専門医の診断を受け必要であればMRI検査を受けることをお勧めします。

長く続く頭痛に対して・・・

数時間続く頭痛、何日も続く頭痛、朝に強い頭痛、嘔気嘔吐を伴う頭痛、めまい感を伴う頭痛など・・・症状は様々ですが、痛み止めの使い過ぎには注意が必要です。頭痛の度に痛み止めを飲み続けることで効きが悪くなってしまいます。さらにはかえって頭痛を重くする場合もあります。そうなると日常生活にも支障をきたしかねません。長く続くようであれば一度MRI検査を受けて頭の中を詳しく調べてみましょう。

命に関わる頭痛かどうか?

頭痛は色々な原因で起こります。頭痛のほとんどは緊張型頭痛、偏頭痛、神経痛であることが多いのですが、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などの命に関わる頭痛の場合も考えられます。『命に関わる頭痛なのかどうか?』は専門医によるMRI検査で詳しい検査することが大変重要になります。詳しい検査で原因が判断できれば安心して日常を過ごせることにもつながります。


くも膜下出血 Q&A

くも膜下出血の前兆は何かありますか?

はい、あります。

  • 血圧が激しく上昇・下降します
  • 頭痛はそれほど強くない場合もあります
  • 視力低下、めまい、吐き気や嘔吐、意識低下など

前兆症状はしばらくすると消え、その後にくも膜下出血を起こします。前兆症状があったら、すぐに収まってしまった場合もできるだけ早く受診してください。

くも膜下出血の原因1位は何ですか?

脳動脈瘤の破裂です。未破裂動脈瘤と呼ばれる、脳血管の一部がこぶ状に膨れ上がったものが破裂します。くも膜下出血のうち約9割は、これが原因です。

くも膜下出血 どんな人がなりやすい?

未破裂脳動脈瘤の方は通常の方より発症リスクが高いです。小さな未破裂脳動脈瘤は殆ど破裂しませんので、サイズ次第となります。一般的には3mm~で要観察、5mm~は危険因子となります。また家族性の遺伝要素はあると考えられています。

くも膜下出血の生存率は?

6~7割となります。但し年齢により生存率が大きく変わります。20代や30代といった若年層の方は9割以上が助かります。反対に70代、80代といったご高齢の場合は5割以上の方が亡くなります。。詳しくはこちらをご覧ください。


即日MRI検査、結果説明が可能です

「思い立ったらすぐ検査」が可能です

当院ではMRI希望の方は、初診でもご予約を承っております。
そのため、当日のご予約、当日のご来院が可能です。
もし当日枠が埋まっていても、殆どの場合翌日には検査が可能です。
ご来院の際は、事前にお電話にてお問い合わせください。
電話番号:045-482-3800

1回のご来院で全てが終わります

1回のご来院で診察、MRI撮影、結果説明の全てを行います。
大病院でのMRI検査は診察、検査、結果説明と3回通う事も少なくありませんが、当院では何度も通う必要はありません。
※より詳しい所見を必要とする場合、MRI以外の検査を行う場合は例外があります。

お役立ちコラム


記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。


横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
診療日:月~木曜日、土曜日 駐車場あり

〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7
東急田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分。

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当院の口コミが読みたい方はこちらをご覧ください。


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