「閃輝暗点と更年期障害は関係ありますか?」
この質問は、たまに聞かれることがあります。
結論からお伝えしますと、「関係している可能性がある」が当院の見解です。
更年期障害は原因がわからない病気の理由付けとして便利です。例えば、具合が悪い方にそれらしい原因がない場合「風邪ですかね」とお医者様が仰るのと同じです。このような答え方はある種の逃げです。当院ではわからないものは、わからないと正直に伝える事を基本にしています。
では、なぜ当院が”更年期と関係があるかも”と言うのか?
それは患者様の性別と年齢層に偏りがあるからです。
こちらは当院が独自に調べた、閃輝暗点患者様の年齢と性別の分布表です。
※転載、引用はご遠慮ください。
実は年齢層の最大値は50代であり、60代、70代の方も結構おられるのです。つまり、女性の更年期障害が発生する時期と年齢の最大値が重なっているのです。また、女性の方が人数が割合が高い点も辻褄が合います。
このデータは閃輝暗点の方、108名を対象として作ったデータですが、閃輝暗点ではビッグデータと言える人数なので、ある程度の指標になると考えています。そうなると、更年期障害との関連性を否定する事が出来ないのです。
これまで当院が閃輝暗点の方を多数診てきた経験上、閃輝暗点と疲労の関連性は深いと考えています。更年期障害は慢性的な疲労感を抱える病気であり、これもまた更年期障害との関連性を深める理由となってしまうのです。
前述の通り、当院では安易に「更年期障害が原因です」とは言いたくありません。ただ、患者様の傾向からして、更年期障害が全く関係ないとは言えません。更年期障害の年齢と閃輝暗点のボリューム層が被っている以上関係している可能性はあると、言わざるを得ないからです。
それによって、更年期前提の治療をする等、特別な形は考えていませんが、否定はできない以上、この正直な考えをお伝えしたいと思い記事にしました。尚、閃輝暗点のデータについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
閃輝暗点の性別・年齢別データ
記事監修

院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日