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椎骨動脈解離が心配→椎骨動脈解離でした/診療症例14

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こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。

本日は後頭部痛(頭の後ろが痛い)で受診された患者様のお話です。

患者様の症状
  • 後頭部が痛い
  • 首から頭にかけてが痛い
  • 二週間前から症状がある
  • 起床時に痛みを感じた
  • 椎骨動脈解離が心配で来た

当院の椎骨動脈解離の記事を読んでご来院されました。
MRI検査を行ったところ、椎骨動脈解離が見つかりました。

椎骨動脈解離とは?

首を通る血管の膜が裂けたり、剥がれてしまう病気です。椎骨動脈は首の左右に一本ずつあり、解離を起こした側だけが痛むケースが多いです。よく見られる初期症状はうなじや後頭部の強い痛みです。左右片側だけの痛みである事が特徴です。痛みは通常の頭痛よりも強い傾向にあります。

代表的な症状
  • 後頭部の頭痛
  • 強い頭痛
  • 首(うなじ)の痛み
  • 左右どちらかの痛み

実はこの患者様は危ない状況でした。以前に他院様で片頭痛の診断を受けており、片頭痛薬を持っていたのです。それを聞いてギョッとしたのですが、最近は効かないので飲んでいないとの事でホッとしました。片頭痛薬は血管収縮薬なので、椎骨動脈解離が起こっている人が飲むと脳梗塞のリスクが増します。たまたまとは言え飲んでおらず良かったです。MRI検査でも脳梗塞は見つからなかったので一安心です。


これは椎骨動脈の分かれ目部分を拡大した画像です。

分かれ目から左側が極端に細くなっている部分があるのがおわかりいただけると思います。

出血があると判断したので、裏付けを取るため、別の撮影方法で断面状にしました。



赤丸部分の白く光る部分が出血しています。

二週間前からとの事で、現時点では出血が拡がっていません。
ダブルルーメンと呼ばれる血流が二か所に分かれてしまう状態になっていますが、再開通し始めていると考えられます。

念のため、抗血小板薬を処方し脳梗塞リスクをケアしました。


この患者様は当院の椎骨動脈解離の記事を読んで来たとのことでした。来ていただいて本当に良かったです。ご自身の判断で再び片頭痛薬を飲みだしていたら危なかったです。


追記

その後の経過報告です。

・10日後にご来院→後頭部の痛みが徐々に軽くなってきた。

・さらに2週間後にご来院→後頭部の痛みがほぼ消失した。

MRIの画像でも快方へ向かっている様子が確認できましたので、このまま治ると思います。
投薬によるリスク低減で殆どの患者様はそのまま治ってくれますが、万が一を考えフォローアップは欠かさないよう気を付けています。


椎骨動脈解離の事をもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。


横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
診療日:月~木曜日、土曜日 駐車場あり

〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7
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当院の口コミが読みたい方はこちらをご覧ください。


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