脳梗塞

漫画でわかる脳梗塞

脳梗塞とは脳の血管が詰まる病気です。まずはこちらの漫画をご覧ください。

この漫画の完全版はこちら
 
著:あやめゴン太様 https://twitter.com/aya_gon
ご好意で掲載許可をいただきました。ありがとうございます。

脳梗塞とは?

脳梗塞とは脳の血管が詰まり、脳細胞が死滅してしまう状態です。死滅した脳細胞は回復しないため、その部分が担っていた感覚や機能は失われます。

最近では前兆症状の時点や、脳梗塞発作を起こして3時間以内であれば、脳へのダメージを最小限に抑える治療が可能です。ただし、最も有効なのは発症する前の予防です。リスクがある場合は早めに生活習慣改善を行うことが大切です。

 


脳梗塞の前兆症状

こうした症状がある場合、すぐに受診してください。

運動障害

片側の手足に力が入らない、食事中に箸や茶碗を落とす、歩いている時に傾く

感覚障害

片側の手足がしびれる、感覚が鈍くなる

視覚障害

物が二重に見える、視野(見える範囲)が狭くなる

言語障害

言葉がうまく出ない、呂律が回らない

バランスの障害

ふらつく、めまいがする、足元がフワフワする


脳梗塞の原因

脳梗塞動脈硬化と呼ばれる脳血管が硬くなったり、もろくなること、血栓と呼ばれる血の塊ができることで発症します。生活習慣病や、喫煙、飲酒の習慣は危険因子です。また無呼吸症候群も脳梗塞のリスクを高めます。

脳梗塞のリスク

危険因子

高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・高尿酸血症などの生活習慣病
上記を複数持っていると、より脳梗塞を発症しやすくなります。

生活習慣

飲酒、喫煙、肥満、運動不足、無呼吸症候群


治療

薬物療法

抗血小板剤や抗凝固剤を服用します。また生活習慣病を合併している場合は、その疾患の治療が不可欠です。特に複数疾患を合併している場合は、厳格なコントロールが必要になります。

抗血小板剤

血管の狭窄(狭くなること)や詰まりによって脳梗塞が生じます。抗血小板剤は血小板の凝集を阻害して、狭窄や詰まりを防止します。

抗凝固剤

心房細動などによって血液が固まることを防ぐために用います。

降圧剤

血圧を下げるための薬ですが、動脈硬化抑制や脳卒中再発予防にも効果があります。正常血圧の方に降圧剤を処方することで脳梗塞の再発を抑制できます。

スタチン系薬剤

LDLコレステロールを下げるために用いる薬剤です。この薬を服用すると脳梗塞の発症リスクを下げられるという報告がされていて、その研究が進んでいます。

手術

血管吻合術(バイパス術)

詰まってしまった先に血液を届けるために、頭皮の血管をつなぐ手術です。血液が届かなくなった部分へ、新たに血液が送り込まれます。

頸部内頸動脈内膜剥離術

頸部の内頸動脈の厚みを増している血管内膜をくり抜いて、狭窄を解消させる手術です。この手術を行うと薬物治療だけの場合よりも再発が少なくなります。

頸部内頸動脈ステント

狭窄している部分に金属でできたメッシュ状の筒を留置して、血管狭窄を解消する治療です。

リハビリ

手足の麻痺、言語障害などの後遺症がある場合には、リハビリテーションで機能回復を図ります。早期にリハビリを開始することでより効果を得られやすくなります。


まとめ

脳梗塞が疑われる症状

  • 身体の片側に現れる脱力やしびれ
  • うまく話せない、呂律が回らない
  • 視野が狭まる、物が二重に見える
  • めまい、ふらつき

このような場合は、すぐに受診してください。

脳梗塞の診断

MRI検査により精度の高い診断ができます。血管異常も明瞭にわかるため、スピーディに適切な治療へつなげられます。

早期治療が重要な理由

治療が早ければ脳を救える可能性が高くなります。深刻な後遺症を残さないためにも、「おかしい」と思ったらすぐに受診してください。

急性期の治療

脳梗塞発作を起こしてすぐ行う治療は、脳保護薬や微小循環改善薬の点滴です。発症3時間までの超急性期で条件が整っている場合は、さらに高い効果が見込める血栓溶解剤の注射も可能になります。

慢性期の治療

再発防止のための治療、基礎疾患の治療、生活習慣改善、そして機能回復のためのリハビリテーションです。生活習慣病や心臓病がある場合にはその治療とコントロールが不可欠です。禁煙や節酒・禁酒も必要になります。

脳血栓と脳梗塞

脳梗塞の原因の1つが脳血栓です。脳血栓は脳血管内で血のかたまりである血栓ができて血流を阻害し、脳梗塞を発症させます。他には、脳以外の場所から血栓が流れてきて脳梗塞を起こす脳塞栓症、脳の深い部分に小さな脳梗塞を起こすラクナ梗塞などがあります。

脳梗塞と脳卒中

脳卒中は脳の血管障害による病気の総称で、脳梗塞も含まれます。他に、脳を覆うくも膜の下で太い動脈が破れるくも膜下出血、脳出血があります。脳出血は、脳内の細い動脈が破れて出血している状態です。

発症する前触れ

脳梗塞はある日突然起こることが多いですが、前兆として一過性脳虚血発作を起こすことがあります。一過性脳虚血発作は身体の片側のしびれなど、脳梗塞と同様の症状が出ます。そして、しばらくすると症状が消えてしまいます。症状がなくなった状態でも、脳梗塞を起こす可能性が高いので、すぐに受診してください。



死亡率と再発率

脳梗塞の死亡率は?

死亡率は約10%です。放置すれば死に至る可能性は低くありません。ですが、手遅れになる前に発見に至るケースが多いため、くも膜下出血と比べ生存率が高い傾向にあります。しかし、脳卒中(くも膜下出血・脳梗塞・脳出血)で最も発症例が多く、再発率も高いため、軽視することはできません。後遺症が残ることも多く、早期の治療が重要です。

脳梗塞の再発率は?

10年間で約50%です。3年以内の再発率が25%いうデータもあり、完治しても繰り返すことが非常に多いです。また2回目、3回目と回数を重ねるごとに重症化しやすくなる傾向にあり、治療後も再発防止に努めることが推奨されます。

どの程度見つかるのか?

脳梗塞はクリニックレベルでもよく見つかる疾患です。当院でも毎週のように脳梗塞の患者様が見つかります。これは脳梗塞が決して稀ではないこと、自覚症状による早期発見が現実的であることを示しています。有名な方では巨人軍の長嶋茂雄さんや、小渕恵三元総理も脳梗塞を発症しています。小渕さんのケースでは死因になっています。

様子見しても良いのか?

「とりあえず様子見で我慢」が一番危険です。異常を感じたタイミングですぐに受診すれば、間に合うケースが多々あります。放置すると後遺症リスクが飛躍的に上がります。症状が合致していたら直ぐに受診してください。

~当院の経験上のお話~

実は脳梗塞を疑われる方は多くないです。脳梗塞経験者が「再発かも?」と疑うケースぐらいです。ですが、診る側の認識は違います。問診の段階で疑いを持つケースは、結構な確率で脳梗塞が見つかります。典型的な症状はしびれや力が入らない、口や手、足の運動障害です。これが身体の左右どちらかのみに起こっている場合は非常に疑わしいです。

あとは過去の脳梗塞が見つかるケースです。これは頻繁にあります。そのうち約半数は過去に「異常な症状が出た」と答えます。当院では過去形の脳梗塞も含めると毎月10~30人ほど見つかります。それだけ多く見つかる病気だという事です。

身体の片側の違和感、動きの悪さが出た場合は、脳梗塞を疑って早めに受診してください。尚、誤解されがちですが、脳梗塞は頭痛がないケースが多いです。血管の詰まりは頭痛を引き起こさないのです。

 

当院で脳梗塞疑いの方を調べる場合

①脳やその周辺を撮影していきます。脳梗塞がある場合は白く眩しく光ります。

脳梗塞の実例(赤丸部分が白く光っている)

②.血管の詰まりや血流が細い部分がないかを確認します。

③.疑わしい部分は、さらに細かく撮影します。2枚目はわかりやすいように立体化したものです。


④.当院では首の方まで広い範囲を撮る事が多いです。ストレートネックの判別も可能です。


⑤.モニターを用いて、実際の画像をお見せしながらご説明します。「わかりやすい説明」を心掛けていますので、知識のない方でも安心してお聞きいただけます。


よくある当院へのご質問

Q.検査や診察にどれぐらい時間が掛かりますか?
総所要時間は平均で2時間、混雑時で3時間程度です。状況により変動はありますので、目安としてお考えください。

Q.いくら掛かりますか?
初診+MRI検査で約8,500円です(3割負担の方の場合)。追加検査がある場合は総額で概ね10,000円~15,000円となります。

Q.脳梗塞が見つかった場合どうなりますか?
脳梗塞の重症度によります。当院の場合は一律入院ではなく、通院をご提案する場合もあります。入院が必要な場合は、当日の各病院の出勤医師の状況等を鑑みて、よりベストな病院へのご紹介を行います。

Q.実際に見つかった方の実例等ありましたら教えてください
こちらをご覧ください。
脳梗塞:後遺症なしで完治された患者様/診療症例7
脳梗塞:通院治療となった患者様/診療症例9


即日MRI検査、結果説明が可能です

「思い立ったらすぐ検査」が可能です

当院ではMRI希望の方は、初診でもご予約を承っております。
そのため、当日のご予約、当日のご来院が可能です。
もし当日枠が埋まっていても、殆どの場合翌日には検査が可能です。
ご来院の際は、事前にお電話にてお問い合わせください。
電話番号:045-482-3800

1回のご来院で全てが終わります

1回のご来院で診察、MRI撮影、結果説明の全てを行います。
大病院でのMRI検査は診察、検査、結果説明と3回通う事も少なくありませんが、当院では何度も通う必要はありません。
※より詳しい所見を必要とする場合、MRI以外の検査を行う場合は例外があります。

お役立ちコラム

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。


横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
診療日:月~木曜日、土曜日 駐車場あり

〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7
東急田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分。

当院の特徴を知りたい方はこちらをご覧ください。
当院の口コミが読みたい方はこちらをご覧ください。


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その場合はお手数ですが、数分後に再度お掛け直しください。

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