「ズキズキ」「締め付けられる」…そんな後頭部の頭痛に悩んでいませんか?
後頭部の頭痛は、日常生活に支障をきたすほどつらいものです。原因も様々で、「一体何が起きているんだろう?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
この記事では後頭部頭痛の主な原因から、今すぐできる効果的な対処法、そして医療機関を受診する目安までを詳しく解説します。
あなたの後頭部頭痛の原因が特定でき、適切な対処法を見つけて、つらい痛みから解放される一助となりますよう、ぜひ最後までお読みください。
なぜ?後頭部が痛む主な原因
後頭部の痛みには、以下のような様々な原因が考えられます。
緊張型頭痛
最も一般的な原因の一つです。精神的・肉体的なストレス、長時間の同じ姿勢、肩や首の凝りなどが原因で起こります。後頭部から首にかけて、締め付けられるような、鈍い痛みが特徴です。
偏頭痛
ズキズキと脈打つような痛みが特徴で、頭の片側に出ることが多いですが、後頭部にも現れることがあります。吐き気や光・音過敏を伴うこともあります。
頸椎由来の頭痛
首の骨(頸椎)の異常や、頸椎の神経が圧迫されることで起こります。後頭部だけでなく、首や肩、腕にかけて痛みやしびれが生じることもあります。
後頭神経痛
後頭部にある神経が刺激されたり、炎症を起こしたりすることで起こります。瞬間的に電気が走るような、鋭い痛みが特徴です。
高血圧
血圧が急激に上昇することで、後頭部にズキズキとした痛みが生じることがあります。
眼精疲労
長時間パソコンやスマートフォンを使用することで、目の疲れから後頭部に痛みが広がる場合があります。
椎骨動脈解離
椎骨動脈という首の後ろを通る血管の壁が裂ける病気です。脳梗塞やくも膜下出血に繋がる可能性があるため、注意が必要です。
その他
まれに脳腫瘍やくも膜下出血などの重篤な病気が原因で後頭部痛が起こることもあります。
自分でできる!後頭部痛への対処法
つらい後頭部痛を和らげるために、ご自身でできる対処法をいくつかご紹介します。
安静にする
痛むときは無理せず、静かな場所で横になりましょう。
冷やす・温める
緊張型頭痛には温湿布、後頭神経痛には冷湿布が有効な場合があります。痛む部分を試してみて、気持ちの良い方を選びましょう。
ストレッチやマッサージ
首や肩の凝りが原因の場合は、軽いストレッチやマッサージで筋肉をほぐしましょう。
簡単なストレッチ方法
1.ゆっくりと首を前に倒し、5秒ほどキープします。
2.ゆっくりと首を後ろに倒し、5秒ほどキープします。
3.ゆっくりと首を左右に倒し、それぞれ5秒ほどキープします。
4.ゆっくりと首を左右に回します。
市販の鎮痛薬を服用する
痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬など)を用法・用量を守って服用しましょう。薬剤師や登録販売者にご相談の上、選ぶと安心です。
カフェインを控える
カフェインは血管を収縮させる作用があるため、痛みを悪化させる可能性があります。
水分補給
脱水も頭痛の原因となることがあります。こまめに水分を補給しましょう。
リラックスする
深呼吸をしたり、瞑想したりする時間を作り、心身をリラックスさせましょう。
放置は危険?こんな症状が出たらすぐに医療機関へ
多くの場合、後頭部痛は上記のような対処法で改善することが期待できます。しかし、以下のような症状が見られる場合は、重篤な病気が隠れている可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
- 突然の激しい痛み
- 今まで経験したことのないような強い痛み
- 痛みが徐々に悪化している場合
- 発熱、吐き気、嘔吐を伴う場合
- 手足のしびれや麻痺がある場合
- 視覚異常(目がかすむ、二重に見えるなど)がある場合
- 意識が朦朧とする場合
- けがの後に起こった頭痛
予防が大切!日常生活で気をつけたいこと
後頭部痛を繰り返さないためには、日頃から予防を意識することが大切です。
正しい姿勢を保つ
デスクワークやスマートフォン操作時は、正しい姿勢を心がけましょう。
適度な運動
ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にしましょう。
十分な睡眠
質の高い睡眠を確保しましょう。
ストレスを溜め込まない
自分なりのリラックス方法を見つけ、ストレスを解消しましょう。
長時間同じ体勢を続けない
デスクワーク中はこまめに休憩を挟み、体を動かしましょう。
バランスの取れた食事
健康的な食生活を心がけましょう。
まとめ つらい後頭部痛から解放され、快適な毎日を
後頭部の頭痛は、様々な原因で起こりうる身近な症状です。多くの場合、適切な対処法で改善しますが、中には注意が必要なケースもあります。この記事でご紹介した対処法を試してみて、それでも改善しない場合や、気になる症状がある場合は、我慢せずに医療機関へご相談ください。
注意喚起
後頭部痛と首の痛みを併発している場合は、椎骨動脈解離の疑いがあります。該当する方は必ず下記ページをご覧ください。
記事監修

院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日