頭痛と薬

市販の頭痛薬が効かない原因

日本頭痛学会によると、頭痛に悩む方は4人に1人といわれています。多くの方が頭痛で悩んでいます。頭痛を抑えるためには、鎮痛剤、いわゆる痛み止めが使用される場合が多いです。頭痛が起こると市販薬を飲まれる方も多いと思います。市販薬メリットは、ドラッグストアで購入できるため、急な頭痛でも助かることです。しかし、頭痛薬を飲んでも頭痛が改善されない場合もあります。下記では頭痛薬の種類や市販薬とは異なる成分の薬をご紹介します。

受診の必要性を確認したい方はこちらをご覧ください。
病院へ行くべき症状一覧


なぜ頭痛は起こるのか

頭痛の種類

片頭痛

何らかの原因で、脳血管が急激に拡がり、血管周りの三叉神経を刺激して炎症物質が発生します。症状の特徴はズキズキとした脈動的な痛みです。頭の片側もしくは両側に症状が出現します。音や光に対しても過敏になり、酷いケースでは吐き気を伴います。片頭痛は女性の発症が多く、男性の約4倍の患者様がおられます。脳血管が拡がる原因は、カフェインやアルコール等の嗜好品や日常におけるストレスが関係しています。

緊張型頭痛

緊張型頭痛で強い痛みがあることは稀です。しかし、慢性的に続くと著しく生活の質を下げます。症状の特徴は頭全体が締めつけられるような重い痛みです。頭痛の中でも最も患者数が多く約2000万人と言われています。ストレスや長時間のパソコン作業をする等の同じ姿勢を保つことによって、首・肩の筋肉の緊張が原因です。事務作業をしている方や運転手等の同じ姿勢で仕事をされる中高年の発症が多いです。

群発性頭痛

若い男性に多い頭痛です。症状の特徴は、左右どちらかの目の奥の強い痛みです。患者様は目玉をえぐられるような痛みと表現されます。強い痛みにより、鼻水や涙が出たり充血する場合があります。一般的な鎮痛薬が効かないほど強い痛みです。群発性頭痛は同じ時間に起こり、15分から3時間程度で何もなかったかのように症状が治まります。そのため、鎮痛薬の効果であると誤って認識してしまい、受診が遅れることがあります。

薬物乱用性頭痛

頭痛が起きるたびに鎮痛薬を飲み、月に10日以上薬を服用している場合、薬物乱用頭痛の可能性があります。頭痛が頻繁に起こる場合や、「大事な会議がある」などで頭痛を恐れて予防的に飲んでしまうなど、気付かずにつき10日以上服用してしまっていることは珍しくありません。特に市販薬で薬物乱用頭痛を起こすケースが増えています。薬物乱用頭痛では、薬の効果の低下、持続時間の短縮を経て、薬が頭痛を誘発するようになってしまいます。


頭痛薬が効かない原因と対処法

頭痛薬が効かない原因には、下記の項目が考えられます。

薬の服用のタイミング

薬の服用のタイミングが良くない場合です。痛みを我慢することによって、体の中で痛みの原因物質が増加してしまい、鎮痛薬が効かない場合があります。鎮痛薬は、痛みが出現し始めた際に使用しましょう。

鎮痛薬の多用

鎮痛薬を使用することが多い場合です。鎮痛薬を使用することが1ヶ月に10回以上を超えた場合には、薬物乱用頭痛になるリスクが上昇します。過度に鎮痛薬を使用すると、神経が過敏になり却って頭痛が悪化する場合があります。薬物乱用頭痛は、薬をやめると2週間程度で治っていきます。

薬が合わない

薬が合わない場合です。頭痛薬には様々な種類があり、効果の強さや効き方、作用時間等も様々です。数ある頭痛薬の中から自分にあった薬を探していくことも大切です。いつもの頭痛薬とは異なる頭痛薬を試しても症状が改善されない場合には、重大な病気が潜んでいるかもしれません。一旦、服用をやめて速やかに脳神経外科を受診しましょう。診察時には、これまで服用していた薬についても医師に伝えましょう。

頭痛の慢性化

痛み止めを長期に渡り使用している場合に起こります。薬に対する耐性が出来たり、頭痛の性質が変わってしまう事があります。性質が変わる頭痛は変容性頭痛に該当します。元々は片頭痛症状だけだった方が緊張型頭痛の症状と混ざるようになるなど、診断自体も難しくなります。頭痛は慢性化すると明らかに治りが悪くなるため、慢性化が疑われる場合には少しでも早く適切な治療を受けましょう。


頭痛薬の種類

非ピリン系鎮痛剤(NSAIDs)

非ピリン系鎮痛剤には、イブに含まれるイブプロフェンやロキソニンに含まれるロキソプロフェンがあります。非ピリン系鎮痛剤には、痛みの原因物質のプロスタグランジンが作られることを防ぐ効果があります。痛みを感じたらすぐに薬を服用することが適しています。しかし、プロスタグランジンは胃の粘膜を保護する作用もあります。胃が弱い方は注意しましょう。胃が荒れることを防ぐために、胃を保護する成分を配合しているものもあります。

ピリン系鎮痛剤

ピリン系鎮痛剤は非ピリン系鎮痛剤よりも、鎮痛効果が期待できます。市販薬に用いられているのは、ピリン系鎮痛薬の中で安全性が確認されているイソプロピルアンチピリンのみです。メリットは高い鎮痛作用を期待できることです。デメリットは、非ピリン系鎮痛剤と比較して、薬によるアレルギーを起こす可能性があることです。そのため、アレルギー体質の方は注意しましょう。市販薬では、ほとんどがカフェインやアセトアミノフェンを配合されています。

漢方薬

漢方薬には鎮痛剤のイメージが少ないかもしれませんが、頭痛に対して効果が期待できる漢方もあります。風邪の初期に飲むイメージがある葛根湯は、筋肉の緊張を和らげる効果があります。そのため、緊張型頭痛や肩こりに用いられます。ずきずきと痛むような片頭痛には、血液循環の改善を期待できる呉茱萸湯が適しているといわれています。それ以外にも高血圧傾向で、めまいを伴う頭痛には釣藤散が適しています。漢方薬のメリットは、他の鎮痛剤と組み合わせても効果は重なり合わず、併用することができます。

※当院では頭痛に対して積極的な漢方の使用は行っておりません。理由は「効きました」というお声が少ないためです。


市販薬の選び方

風邪の際に熱がある頭痛

頭痛薬には、熱を下げる効果もあります。いわゆる解熱作用です。頭痛薬の中でもイブやロキソニンSは、CMでも宣伝されているため、身近に感じられると思います。頭痛以外にも、歯痛や筋肉痛、生理痛、解熱等の効果を期待できるため、熱がある頭痛にも有効です。

胃が荒れることが心配

一般的な頭痛薬や解熱鎮痛剤等には、胃の粘膜を荒らす副作用があります。アセトアミノフェンの特徴は、胃腸にかかる負担が少ないことです。タイレノールは、アセトアミノフェンが含まれていて、空腹の際にも使用していただけます。急な頭痛にも対応できます。またロキソニンSクイック等、胃を守る成分を配合した鎮痛剤もたくさんあります。

強い痛みにより辛い場合

強い痛みにより辛い場合は、速効性があって鎮痛効果があるピリン系薬剤を含んでいるものを選びましょう。市販薬の中で、販売認可されているピリン系薬剤は、イソプロピルアンチピリンです。この成分が含まれているセデス・ハイは、カフェインやアセトアミノフェン等の頭痛を抑える薬を複数配合されています。鎮痛効果があるピリン系薬剤は、アレルギーを引き起こす可能性があります。過去にピリン系薬剤によって、アレルギーを起こしたことがある場合には服用いただけません。


頭痛薬の中には喘息を誘発するものもあります。喘息を持っていらっしゃる方は、市販薬を購入する際には薬剤師に相談しましょう。また、頭痛薬の服用が1ヶ月に10日以上の場合には、薬物乱用頭痛を起こす場合があります。服用回数には注意しておきましょう。


病院へ行くべき症状一覧

頭痛は脳の病気による場合もあります。下記の項目に該当する場合は、速やかに脳神経外科を受診しましょう。

受診すべき頭痛

  • 痛み止め(頭痛薬)が効かない頭痛
  • 原因がわからない頭痛
  • 繰り返す頭痛
  • 生活に支障のある頭痛
  • 頭痛以外にも症状がある めまい、ふらつき、しびれ等
  • 感じたことがない強い頭痛
  • 50歳以降で初めての頭痛(めったに頭痛にならない人)

「痛み止めが効かない…。」これは良くない状況です。それは脳に異常があるから痛み止めが効かないという可能性があるためです。実際に痛み止めが効かず当院を受診し脳疾患が見つかるケースがあります。検査には安心を買うという意味もあります。異常がないから無駄足だったとはなりません。

頭痛診療の基本は最初に危険な頭痛でないかを確認する事です。頭痛での受診はこのルートから入るのが王道です。すなわち検査機器のある脳神経クリニックへ行く事です。内科や検査機器のない脳神経クリニックへ行くという選択肢もあります。しかし、どれだけの名医であっても脳の中を見ることはできません。よって、危険な頭痛であるかの判断・確定ができません。

身内や友人が頭を痛がった場合は、迷う事なく検査機器のある脳神経クリニックを推奨します。それは日々の診療経験から検査による脳の精査が有効であることを知っているからです。また、よくある質問として、「頭の検査はMRIとCTどちらが良いですか?」というお尋ねがあるので、答えを書いておきます。推奨はMRIです。理由はこちらをご覧ください。


まとめ

  • 検査機器のある脳神経外科・脳神経内科をお勧めします。
  • 検査機器はMRIをお勧めします。
  • 特に頭痛の原因がハッキリしない場合は、一度は調べてもらってください。

頭痛薬で改善しない場合は

問診痛み止めは身近な薬ですが、使用を続けることによって逆に頭痛が起こったり、胃を荒らしたりします。頭痛薬を購入する際には、医師や薬剤師、登録販売者等にしっかりと相談されることを推奨しています。改善しない場合は、お気軽に当院へご相談ください。

当院には遠方からも多くの患者様が来られます。ですが、片道2時間を超えると時間的にも体力的にも辛いと思いますので、遠すぎる場合は別のクリニックへ行くという選択肢も考えてみてください。下記に主要駅からの目安時間を載せていますので参考にしてください。

クリニック情報
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7

診療日
月曜日~木曜日、土曜日
午前:9時~13時 午後:15時~18時

アクセス
田園都市線藤が丘駅から徒歩8分
駐車場あり(無料、徒歩1分)

当院までの目安時間
渋谷駅から:約40分 二子玉川駅から:約30分
中央林間駅から:約25分 町田駅から:約25分
新横浜駅から:約35分 横浜駅から:約50分

初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。閉所恐怖症の方は必ず事前にお伝えください。


混雑時はお電話に出られない場合があります。
その場合はお手数ですが、数分後に再度お掛け直しください。

電話番号:045-482-3800


即日MRI検査、結果説明が可能です

「思い立ったらすぐ検査」が可能です

当院ではMRI希望の方は、初診でもご予約を承っております。
そのため、当日のご予約、当日のご来院が可能です。
もし当日枠が埋まっていても、殆どの場合翌日には検査が可能です。
ご来院の際は、事前にお電話にてお問い合わせください。
電話番号:045-482-3800

1回のご来院で全てが終わります

1回のご来院で診察、MRI撮影、結果説明の全てを行います。
大病院でのMRI検査は診察、検査、結果説明と3回通う事も少なくありませんが、当院では何度も通う必要はありません。
※より詳しい所見を必要とする場合、MRI以外の検査を行う場合は例外があります。

お役立ちコラム

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。


横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
診療日:月~木曜日、土曜日 駐車場あり

〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7
東急田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分。

当院の特徴を知りたい方はこちらをご覧ください。
当院の口コミが読みたい方はこちらをご覧ください。


初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。

 
混雑時はお電話に出られない場合があります。
その場合はお手数ですが、数分後に再度お掛け直しください。

電話番号:045-482-3800
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