片頭痛、偏頭痛

ズキズキと激しい痛みが起こる片頭痛

頭痛イメージ女性片頭痛は、脈打つような拍動性の激しい頭痛が起こり、数時間から数日間、寝込んでしまうほど強い症状を起こす頭痛です。名前のイメージから頭の片側だけが痛むと思われることが多いのですが、両側に痛みを起こすこともあります。男性に比べて女性の発症が圧倒的に多く、生理サイクルと発作の起こる時期がリンクしているケースもよくあります。
特徴的な症状には、ズキズキ拍動するような激しい頭痛が4~72時間程度続き、吐き気や嘔吐をともなうことがあり、光や音に過敏になって暗い場所で寝込んでしまうというものです。
片頭痛は、頭痛を起こす前に、ギザギザした歯車のような光や火花のようなものが見えることがあり、これは閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれています。光で視界の一部が遮られる状態がしばらく続き、その光が消えると側頭部に拍動する激しい痛みが起こります。

片頭痛の原因

片頭痛の原因はまだはっきりとはわかっていませんが、過敏になった三叉神経への刺激によって起こるのではと考えられています。
三叉神経は、脳底部の主幹動脈、大脳皮質表面の軟膜動脈、硬膜血管に張り巡らされていています。三叉神経への刺激でセロトニンなどの神経伝達物質が血液に入ると脳の血管が拡張して周囲に炎症を広げます。拍動性の痛みは拡張した血管が三叉神経を圧迫することで起こり、吐き気や嘔吐は三叉神経への刺激によって脳が興奮して起こると考えられています。
また、緊張型頭痛は誰にでも起こる可能性がある頭痛ですが、片頭痛はなる方とならない方がはっきりと分かれています。このことから片頭痛の発症は遺伝的な体質の関与もあると考えられています。

片頭痛を起こす誘因

過敏になった三叉神経にどんな刺激があって片頭痛の発作を起こすのかについては、さまざまな要因があります。
主な誘因には、ストレスからの開放、気候、空腹などがあり、女性の場合は女性ホルモンであるエストロゲンの影響も受けることがあります。

ストレスからの開放

ストレスが原因ではなく、ストレスから解放された際に発作が起きやすいという傾向があります。こうしたことから、週末や旅行先、出張などからの帰宅といったタイミングで起こることがよくあります。

気候

低気圧の際に発作を起こしやすい傾向があります。特定の季節に発作を起こしやすいケースもありますが、その時期には個人差があります。強い光や大きな音がトリガーになって発作を起こすこともあります。また、匂いや雑踏、タバコ、睡眠不足や寝過ぎなども発作の誘因になります。

空腹

空腹で血糖値が下がると片頭痛発作を起こしやすいとされています。欧米では特定の食品によって発作を起こすケースがあります。日本では赤ワインを飲むと頭痛を起こす人もいますが、飲酒と片頭痛は直接の関係はありません。

検査・診断

問診で丁寧に症状の内容、頻度などをうかがいます。疾患が原因ではないことを確認するために、血液検査や尿検査、CT検査、MRI検査、X線検査などから適切な検査を行って診断します。片頭痛と診断されたら、症状や体質、既往症、ライフスタイルになどに合わせた治療を行います。

【当院での片頭痛患者様へのご対応】
まずは原因が脳疾患起因ではないことを確認します。その後、治療法とお薬のご案内をします。頭痛発生時に頓服薬を飲んでいただく対処療法が主となります。
※当院ではエムガルディ注射等の最先端医療は行っておりません。そのため、片頭痛で深刻にお悩みの方、病院巡りをされている方は、当院ではなく片頭痛を専門とする医療機関への受診を推奨します。

治療

内服薬主に薬物療法による治療を行います。
トリプタンは、三叉神経周辺の炎症を抑え脳の血管を収縮する働きがあり、片頭痛の治療に最も有効とされています。水なしで服用できる口腔内崩壊錠、吐き気・嘔吐が強い場合も投与可能な点鼻薬などもありますので、症状に合わせた治療が可能です。ただし、高血圧、心疾患、脳血管障害、肝臓病などがある場合は、トリプタンの処方を慎重に行う必要があります。トリプタンは汎用され長期に服用されている傾向にありますが、とても注意しなければいけないポイントだと思っています。また、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が使われることもあります。
発作の頻度が高く薬の投与回数が多くなると、使用過多による薬物乱用頭痛になってしまう可能性もありますので、その場合には予防薬の処方が行われます。予防薬にはさまざまな種類がありますので、患者様の症状や体質などにきめ細かく合わせて処方しています。
片頭痛発作が起きている際には、無理せずに暗くて静かな場所で横になってください。痛む部分を冷やすと楽になるケースが多くなっています。入浴・運動・マッサージなどは血行が促進されてり痛みが強くなってしまうため、厳禁です。なお、ビタミンB2やマグネシウムの摂取に予防効果があるとされています。

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。


横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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