緊張型頭痛

5人に1人が悩む緊張型頭痛

頭痛イメージ女性緊張型頭痛は、後頭部中心に、頭の両側や首筋に痛みが起こります。「締め付けられる」「頭に重いものが乗っている」ような痛みで、浮遊感のようなめまいを感じることもあります。ズキズキする拍動のような痛みを起こすことはほとんどなく、動作で痛みが強くなったり、吐き気を起こしたりなどもありません。
片頭痛のように痛みのある間は何もできないということはありませんが、我慢して無理をすることで悪化させやすく、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を大きく下げます。
男性より女性の発症の方が約1.5倍多く、働く世代の患者様が多い傾向がありますが、全体的には幅広い年齢層に患者様がいらっしゃいます。遺伝的な素因の関与を指摘する調査結果が発表されていますが、関与する特定の遺伝子は発見されていません。

緊張型頭痛の原因

緊張型頭痛はストレスが主な原因で生じるとされています。頭・首・肩・背中の筋肉に長時間負担がかかる身体的なストレスと、精神的なストレスの両方が発症や悪化の原因になります。目の疲れ、噛み合わせなども発症に関与することがあります。

筋肉の緊張

同じ姿勢を続けていると、その姿勢を保つために働く筋肉の緊張が長く続いて血流が悪化し、筋肉に疲労物質がたまって神経が刺激され、痛みを生じます。デスクワークやスマートフォンを長時間使う場合、うつむいて腕を大きく動かさない姿勢が続き、頭、首、肩から背中にかけてという広範囲の筋肉に痛みを起こします。また、猫背など姿勢の悪さ、日常的に重い鞄を持ち歩くといったことも発症の原因になります。

トリガーポイント

近年になって緊張型頭痛の原因として、トリガーポイントの関与も指摘されています。トリガーポイントは、痛みに対して過敏になっている部分のことで、通常であれば痛みを感じない程度の圧迫で痛みを誘発します。トリガーポイントとは異なる場所に痛みを生じる関連痛を起こすこともあります。なお、トリガーポイントは特定の場所にできやすい傾向はありますが、決まった部位にあるわけではありません。緊張型頭痛でもトリガーポイントへの刺激が頭痛の発症に関わっていると考えられています。

慢性化で片頭痛に似た症状を起こすことも

緊張型頭痛は、反復性緊張型頭痛と慢性緊張型頭痛に分けられます。反復性緊張型頭痛は痛みが比較的軽く短時間に治まり、マッサージや入浴、ストレッチ、運動、十分な休息や睡眠などで改善できることも多くなっています。
慢性緊張型頭痛は、反復性緊張型頭痛が長く続き、徐々に頭痛が起こる頻度と痛みの強さが増して、ほぼ毎日頭痛を起こすようになります。多くの場合、反復性緊張型頭痛の状態が10年以上続いて発症します。
慢性緊張型頭痛の痛みは中等度程度が多いのですが、動作で頭痛が強くなる・拍動するような痛みを起こす・光や音に過敏になるといった片頭痛に似た症状を起こし、日常生活に大きな支障を生じることがあり、うつ病などを併発するケースもあります。

緊張型頭痛は、肩こりや首こり、目の疲れなど日常的な不調と同じように捉えられて放置されてしまうことが多いのですが、頭痛の頻度や強さが以前より増したと感じたら、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

診断

問診で症状についてうかがい、疾患が原因ではないことを確認するために、血液検査や尿検査を行います。次に、症状に合わせてCT検査、MRI検査、X線検査などを行って、脳や頚椎に問題がないかを確かめます。
緊張型頭痛であると診断された場合には、痛みの状態や体質、ライフスタイルなどにきめ細かく合わせた治療を行います。

治療

薬物療法や漢方処方、筋肉の状態を改善する物理療法などによる治療を行います。

薬物療法

内服薬痛みの緩和には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が高い効果を得られるとされています。また。筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬、不安やストレスを軽減させる頭痛を予防するために三環系抗うつ剤や抗不安薬が有効な場合もあります。
ただし、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は誘発性頭痛を起こす可能性があり、筋弛緩剤は心臓などへの影響を考慮する必要があります。
薬物療法は経過を観察しながら慎重な投与が必要であり、根本的な治療のためには筋肉の血行改善や生活習慣・環境の見直しも重要になってきます。

漢方薬処方

当院では、保険診療による漢方薬処方も行っています。症状の内容や患者様の体質などを考慮して処方しています。漢方薬には複合的な作用がありますので、頭痛を起こす原因の改善が期待できます。漢方薬を併用することで鎮痛剤を使う頻度や量を減らせることもよくあります。

物理療法

物理療法は、温めたり、刺激を与えたりすることで深部の筋肉に働きかけて、筋肉の圧迫や筋肉の緊張を解消し、血行を改善する療法です。当院では、保険診療による物理療法を行っています。物理療法には、電気療法(温熱療法・電気刺激療法)、牽引療法などがあります。

セルフケア

ストレッチ、1時間に5分程度の休憩、入浴で芯まで温まる、適度な運動の習慣化、十分な休息や睡眠、ストレスの上手な解消なども緊張型頭痛の症状軽減に役立ちます。

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。


横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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