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頭の後ろが痛い 後頭部頭痛の原因とリスク

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最終更新/2024年4月17日

こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。

本日は後頭部痛で考えられる原因やリスクについて書きます。


このページの内容は動画でもご覧いただけます。


後頭部頭痛の主な原因

1.くも膜下出血

急に激烈な頭痛が起こります。脳動脈瘤が破裂して起こる病気です。命の危険がある病気なので、直ちに病院を受診するか救急車を呼んでください。尚、前兆症状は首の痛みが挙げられます。

2.椎骨動脈解離
強い頭痛や首の痛みが続きます。首を通る血管の膜が裂けたり、剥がれてしまう病気です。発症中はくも膜下出血や脳梗塞のリスクが飛躍的に上がります。

3.緊張型頭痛
ぎゅーと締め付けられるような痛みです。最も多いタイプの頭痛です。全頭痛のうち7割以上が緊張型頭痛です。肩や首の疲労感、ストレートネックなどが原因です。

4.偏頭痛
脈が波打つようにズキンズキンと痛みます。片頭痛とも書きます。痛む箇所はこめかみが一番多く見られます。

5.後頭神経痛
局所的にジンジン、ジリジリと痛むのが特徴です。頭皮に起こる神経痛です。痛み自体は強めですが、あくまで表面の刺激なので、脳疾患とは別の分類です。

6.帯状疱疹
強い局所的な痛みと、赤い斑点や水膨れができます。昨今増えている病気であり、実際に痛む場所を視認して確認することが大切です。

この中で椎骨動脈解離は、一般的な認識と実態に差があります。しかし、それを書く医院様は皆無です。椎骨動脈解離には潜在的な症例が相当数あると考られます。それだけ見落されがちな疾患です。

そこで今回は踏み込んで説明します。
後頭部痛や首の痛みがある方は必ずお読みください。

読んでくださいと言う理由

  1. 死に至るケースがあるため(脳梗塞やくも膜下出血に繋がる可能性あり)
  2. 公表上の発症率と実態が異なる可能性が高いため
  3. この病気に対する医療業界の認識が甘いため

ちなみに当院では、ここ4カ月で5人見つけています。これは普通のクリニックとしては異常に高い発見率です。当院でばかり見つかる理由はこちらをご覧ください。

続報:2024年01月15日
8カ月で12人見つかりました。予想通り次々に椎骨動脈解離が見つかる結果となりました。
当院が12人もの椎骨動脈解離を発見できた理由

続報:2024年3月12日
20人を超えました。ついに毎週患者様が見つかる状況に。まさかここまでいるとは…。

椎骨動脈解離の症状

椎骨動脈

椎骨動脈は首の左右に一本ずつあり、解離を起こした側が痛みます。別名で脳動脈解離、または解離性脳動脈瘤とも呼びます。よく見られる初期症状はうなじや後頭部の痛みです。首の付け根が痛むこともあります。

よくある症状

  • 後頭部の頭痛
  • 首(うなじ)の痛み
  • 左右どちらかの痛み

椎骨動脈解離は通常の頭痛よりも強い痛みがあり、解離が続いている間は痛みも続きます。期間は一週間~二週間以上と長期間継続することが特徴です。一番起こりやすい年齢は40代~50代ですが、若い方にも起こります。

簡易フローチャート



これは頭から首まで広範囲を映した画像です。赤丸内の分岐から先が椎骨動脈です。左側が細いと気付いた方はご名答です。実は椎骨動脈解離を起こしている方のMRI画像なのです。


左:発症直後 右:半年後


正常に修復されると綺麗に血管が再開通します。

原因

椎骨動脈解離は首に強い負担が掛かると起こりやすいです。整体やカイロ、美容院でのシャンプーなども引き金になります。

また首を激しく動かすスポーツや首に衝撃がくるスポーツ、交通事故によるもの、首をぶつける等でも起こります。無理な負荷は解離を引き起こします。過度のマラソンによる症例は度々見ます。また意外なスポーツではゴルフでなる方がいらっしゃいます。

尚、必ずそれらしい原因があるとは限りません。本人に自覚がなくても起こるものなので、思い当たる節がない場合もあるのです。

見逃しが多い理由

椎骨動脈解離は見逃しが非常に多い病気です。その理由は二つあります。

一つ目はレントゲンでは見極められないからです。首の痛みは整形外科さんに行かれる方が多いです。そうなると、通常は骨の異常がないかをレントゲンで確認します。CTを撮るクリニックさんもありますが、CTでも通常の撮影工程だと見つかりません。

しかし、これは重要な事を確認していません。それは椎骨動脈解離の疑いです。この病気を見つけるためには血管の撮影ができる検査が必要です。その為、MRIでの検査が必要なのです。

MRI


ここで二つ目の理由が出てきます。椎骨動脈解離はただMRI受けるだけでは見つかりません。つまり、脳神経外科を受診した場合でも見逃しは起こります。なぜなら、頭痛の撮影工程に首の血管撮影が含まれないクリニックが多いからです。

椎骨動脈解離を見つけるには、下記の条件を全て満たす必要があります。

  1. 医師が椎骨動脈解離の疑いあると判断する

  2. MRA撮影と呼ばれる血管撮影を実施する

  3. MRAは脳だけでなく首も撮る必要がある

当院では後頭部の痛みがある患者様を慎重に確認します。BB法と呼ばれる撮影技法を併用して撮るケースもあります。血管MRAでハッキリわかる症例なら良いですが、実際には血管MRA単体では判断が難しい場合があります。BB法チェックの実例は次の項目で紹介します。

実際の撮影画像



こちらはMRA画像です。青の矢印で指している部分が椎骨動脈です。通常はこの動脈が左と右に1本ずつあります。しかし、赤丸部分を見ると、反対側はおかしな状態です。この状態を撮影技師が確認した場合、当院では椎骨動脈解離の疑いを持ち、追加撮影を行います。ですが、ここまでハッキリ認識できても、椎骨動脈解離の確認を行わない病院が多くあります。医師から椎骨動脈解離精査の指示がなければ、通常の工程だけをこなすのです。これが椎骨動脈解離の見逃しを引き起こします。


こちらがBB画像です。椎骨動脈を断面状に細かく映し、出血している部分がないかをチェックします。赤丸部分が白くなっていますが、これは出血がある事を示しています。つまり、椎骨動脈解離である事の裏付けになります。

見逃しで生まれるリスク

椎骨動脈解離の見逃しが起こる事は非常に良くないです。それは重大脳疾患に繋がるリスクを抱えているからです。椎骨動脈解離のみで済めば頭痛が徐々に治まっていき、解離した部分は自然治癒していきます。しかし、その一方で脳梗塞やくも膜下出血を引き起こす事があります。整理すると以下のようになります。

1.自然治癒により回復する

2.血管が詰まり脳梗塞を発症する

3.血管が破れくも膜下出血を発症する

脳梗塞やくも膜下出血は命の危険を伴う病気なので、可能な限りそのリスクを下げるべきです。例えば血管詰まりのリスクが高ければ抗血小板薬を処方することで、脳梗塞のリスクを飛躍的に下げる事ができます。しかし、この取り組みは椎骨動脈解離を発見できる事が前提です。ですから、どの程度、どのように解離しているかを知る事が大切なのです。


どこで診てもらえば良いのか

院長挨拶

「MRIがあり、椎骨動脈解離の精査ができるクリニックへ行く」が答えです。ですが、この基準で探すことは難しいと思います。どの程度椎骨動脈解離に理解のある医師で、どのようにMRI撮影を行うかは公開情報ではないからです。

MRI撮影には通常この工程で撮るというルーティーンがありますが、患者様が訴える症状により撮影方法を追加・変更する必要があります。例えば、椎骨動脈解離疑いなら血管MRA、聴神経腫瘍疑いならCISS法というように。

しかし、現実は柔軟な対応が出来るクリニックばかりではありません。事実、他院様でMRIを受けた方が当院へ来て、見逃しが見つかる事はよくあるからです。

実はここ2年程、帯状疱疹の患者様が増えています。増えた背景はこちら。帯状疱疹増加後、様々な医療機関で見逃しが頻発しました。他院様で異常無しと言われ当院へ来て、患部の目視で発覚というケースが多発しました。その最大の理由は医師が疑う疾患に帯状疱疹という選択肢がなかったことです。椎骨動脈解離も同じ状況です。はなから医師の選択肢にないので、血管MRA撮影を実施しないのです。これでは見つかるものも見つかりません

まとめ

下記症状が1つでも当てはまる場合は、椎骨動脈解離の疑いを持ってください。

  • 後頭部の頭痛
  • 首(うなじ)の痛み
  • 左右どちらかの痛み

どこで診てもらえば良いかわからない場合は、当院で検査を承ります。当院は横浜市青葉区にある脳神経外科です。最寄り駅は田園都市線藤が丘駅です。検査機器はMRIです。問診票に椎骨動脈解離疑いと書いてくだされば、しっかりと精査させていただきます。

椎骨動脈解離は10万人に1~3人どころか、その何十倍もいる可能性が高いです。本当にそんなに低い確率なら、当院で患者様が見つかり続けることはありません。「実際の発症率はもっと高いが、見つけてもらえない患者様が多い」。これが真実でしょう。

椎骨動脈解離疑いで当院を受診される患者様のうち、約20%の方から本当に椎骨動脈解離が見つかります。このあり得ない程高い有病率は、潜在的な患者様が存在する事の証明には十分すぎる値でしょう。

よくある当院へのご質問

Q.検査や診察にどれぐらい時間が掛かりますか?
総所要時間は平均で2時間、混雑時で3時間程度です。状況により変動はありますので、目安としてお考えください。

Q.いくら掛かりますか?
初診+MRI検査で約8,500円です(3割負担の方の場合)。追加検査がある場合は総額で概ね10,000円~15,000円です。

Q.何回通院する必要がありますか?
当院は1度で診察、MRI撮影、結果説明の全てを行う方針です。よって一回きりのご来院で大丈夫です。
※懸念事項があった場合、椎骨動脈解離が見つかった場合は例外です。

Q.BB法を用いた場合、値段は変わりますか?
変わりません。ご安心ください。

Q.予約制ですか?
予約制です。ご来院前にお電話にてご予約下さい。

 

即日MRI検査、結果説明が可能です

「思い立ったらすぐ検査」が可能です

当院ではMRI希望の方は、初診でもご予約を承っております。
そのため、当日のご予約、当日のご来院が可能です。
もし当日枠が埋まっていても、殆どの場合翌日には検査が可能です。
ご来院の際は、事前にお電話にてお問い合わせください。
電話番号:045-482-3800

当院からのご提案:朝一番でのご予約をお勧めします。混雑時の滞在時間は平均3時間程度ですが、朝一で来る患者様はそれより早くお帰りになられます。通常の時間帯より早く終わるのでお勧めです。ご希望の方は、お電話にて「朝一で予約したい。」とお申し付けください。

お役立ちコラム

 

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。



横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

診療日:月~木曜日、土曜日 午前:9時-13時 午後:15-18時 駐車場あり

〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7
東急田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分。



初診でMRI希望の方は事前にお電話でご予約ください。


混雑時はお電話に出られない場合があります。
その場合はお手数ですが、数分後に再度お掛け直しください。

電話番号:045-482-3800

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