こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。
本日は脳梗塞が見つかった患者様の少し珍しいお話です。
・50代男性の方
・身体の右側全体に脱力感
・歩行障害
・手のしびれ
上記症状を訴えてご来院されました。
早速MRI検査を行ったところ、3か所に所見が見受けられました。
緑の丸が脳梗塞、または脳梗塞だった箇所となります。
こちらは拡散強調画像(ディフュージョン)と呼ばれる方法で撮ったものです。
脳梗塞、膿瘍(脳内のウミ)、腫瘍の診断に有効です。
青丸は過去に発生した脳梗塞、恐らく2~3年前のもの。
赤丸は現在発生している脳梗塞です。
拡散強調画像の光り方で、現在の脳梗塞か、過去の脳梗塞かの判別が可能です。
ご覧のように患者様には現在進行形の脳梗塞があり、状況はあまり良くありません。
そこで入院先を紹介しようとしたのですが、どうも患者様の反応が良くありません。
聞くと金銭的問題を理由に入院したくないとのことでした。
その為、患者様にはこのようにご説明しました。
1.本来は入院すべき状況であること
2.入院しない場合にはどのようなリスクがあるか
3.それでも入院したくない場合は、当院での外来治療を行う
4.但し今後症状が悪化した場合は入院する
5.自覚症状が悪化した場合はすぐに救急車呼ぶ
クリニックによってはこのような事案は相手にされない事もあります。
大きな病院に紹介状を出しておくから、あとは自己責任でという形です。
悪く言えばほっぽり出す状態です。
当院がそうしなかったのは機械的に紹介を行っているわけではないからです。
クリニックだからこそ事情を考慮しての案内が大切だと考えます。
実際、脳梗塞=必ず入院というわけではありません。
勿論脳梗塞の状況次第によりますが、ご本人の意向や周りの状況も加味されます。
例えば一人暮らしなのか、ご家族のサポートはあるのか、年齢はおいくつなのか、他に病気はあるのかなど。
この判断は教科書的に定まったものではなく、柔軟な判断がされるべきだと考えます。
若いお医者様であれば急性期の脳梗塞=全て入院とする事もありますが、それが患者様にとって一番良いかと考えると疑問符が付きます。
尚、この患者様はその後二回来院されていますが、現段階では悪化もなく外来での治療を実施しております。
このまま落ち着いてくれる事を願います。
記事監修
院長 泉山 仁
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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