後頭部 左側 右側 痛い/左右での違いはあるのか?

後頭部頭痛/左右での違い

脳の内部は、このようになっています。
脳の解説

脳自体は一つの塊であっても、部位としての分類があります。しかし、これらに左右の違いはありません。画像は左から見た図ですが、右から見ても左右の位置が反転されるだけで、同じ場所に同じ部位があります。つまり、脳は左右対称の構造です

厳密に言えば、個人差の範囲で大きさや形に左右差はありますが、それにより左右で病気の偏りが起こるものではありません

この記事をご覧頂いている方は、「後頭部の左側/右側が痛い方」でしょう。皆様がやるべき事を順を追って説明します。

 後頭部頭痛でやるべき事

 

  1. まずは左側/右側が痛む事で疑いが強まる病気はない事をご理解ください。理由は前述した通りです。


  2. 次に痛む部分の視覚的変化がないかを確認しましょう。後頭部の左側で痛む箇所に異変がないか。特に疑うべきは帯状疱疹です。頭の帯状疱疹の詳細はこちらをご覧ください。初期の段階では水疱ではなく、何となく赤い見た目の場合があります。


  3. 外傷性での痛みの場合、ぶつけた場合は外見や出血の有無に関係なく、必ず受診して脳の内部を確認してもらってください。急性硬膜下血腫や脳出血、脳挫傷など、ぶつける事による頭の病気はいくつもありますが、最初から症状があるとは限りません


  4. 頭痛が続く場合、あまりにも頭痛が酷い場合は、その原因が頭の病気である可能性が高まります。これは診察のみでは確定診断不可です。よって、MRIかCTのある脳神経外科や脳神経内科で検査をしてもらう必要があります。


  5. 併発する症状がある場合、疑われる病気が変わります。特に頭痛と首の痛みの併発椎骨動脈解離が疑われます。押すと痛いですが、押さなくても痛いです。少しでも可能性があると感じた方は、こちらの記事をご覧いただき、ご自身が該当する点がないかをチェックしてみてください。

 

後頭部頭痛で疑う病気

  1. くも膜下出血
  2. 椎骨動脈解離
  3. 緊張型頭痛
  4. 偏頭痛
  5. 後頭神経痛
  6. 帯状疱疹


詳しくは下記のページをご覧ください。

後頭部頭痛はなぜ起こる?/6つの原因と注意喚起

 

後頭部/両側の頭痛

後頭部の左右両方が痛む場合は、緊張型頭痛が疑われます。

緊張型頭痛とは?

後頭部の両側が痛む頭痛で最も一般的なのが緊張型頭痛です。

特徴

  •  後頭部を中心に、頭全体が「ギューっと締め付けられる」「重苦しい」「圧迫される」ような、持続的で鈍い痛みが特徴です。
  • 「ヘルメットをかぶったような圧迫感」「はちまきで締め付けられるような痛み」と表現されることもあります。

  • 首や肩のこりを伴うことが非常に多く、首や肩の筋肉を押すと痛みを感じることがあります。
  • 動いても痛みは悪化しにくい傾向があります。

  • 吐き気や光・音への過敏は伴わないことが多いです。
  • 時々起こるもの(反復性緊張型頭痛)と、ほぼ毎日起こるもの(慢性緊張型頭痛)があります。

原因

  • 身体的ストレス: 長時間の同じ姿勢(特にうつむき姿勢でのパソコン作業やスマートフォンの使用)、猫背、眼精疲労、歯ぎしり、噛みしめなどにより、首や肩、頭部の筋肉が緊張し、血行が悪くなることで痛み物質が産生されて起こります。
  • 精神的ストレス: ストレスや不安、うつ病などが脳内の痛みの調整機能に影響を与え、頭痛を引き起こすこともあります。

緊張型頭痛の詳細は下記ページをご覧ください。

緊張型頭痛

 

また、もう一つ別の病気にも後触れておきます。後頭神経痛です。こちらは多くは左右どちらかに症状が出ますが、稀に両側の方がいるためご紹介します。

後頭部頭痛とは?

後頭神経痛とは、首の後ろから後頭部、頭頂部にかけて走る後頭神経が刺激を受け、痛みを生じる神経痛の一種です。

特徴

  • 電気が走るような、刺すような鋭い痛み: 「ズキンッ」「ビリッ」「チクチク」「キリキリ」といった表現をされることが多いです。
  • 痛みの部位:片側の後頭部から頭頂部、耳の後ろにかけて痛むことが多いですが、まれに両側に起こることもあります。
  • 痛みの特徴:
    発作的に繰り返し起こります。
    数秒から数分で治まることが多いです。
    痛くない時にもしびれのような違和感を感じることがあります。
    髪をとかす、帽子をかぶる、頭を枕につけるといった軽い刺激でも痛みを感じることがあります。
    首を動かすと悪化することもあります。
  • その他: 痛みだけでなく、目の疲れや眩しさなどの眼症状、目の周りや額に関連痛として現れることもあります(大後頭神経三叉神経症候群)。
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原因

後頭神経痛は、後頭部を通る以下の神経(大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経)が何らかの原因で圧迫されたり、刺激を受けたりすることで起こります。

  • 筋肉による圧迫: 首から後頭部の筋肉(特に下頭斜筋、下頭半棘筋、僧帽筋など)の緊張が原因となることが多いです。これは、長時間の不良姿勢(デスクワーク、スマホの使用など)や、肩こり・首こり、ストレスなどによって引き起こされます。
  • 外傷や寝違え: 首への物理的な負荷が原因となることもあります。
  • その他: 帯状疱疹や、まれに血管の損傷(椎骨動脈解離)などの病気が原因となっている場合もあります。

後頭神経痛の詳細は下記ページをご覧ください。

後頭神経痛とは?原因は?治るのか?

 

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分

診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

 
電話番号:045-482-3800

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