最終更新/2023年9月27日
こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。
本日は閃輝暗点(閃輝性暗点)の解説をしていきます。
漫画でわかる閃輝暗点
ふるえるとり様 twitter:https://twitter.com/torikaworks
ご厚意で掲載許可をいただきました。ありがとうございます。
閃輝暗点の症状
閃輝暗点は一時的に視野障害が発生します。
突然視界がおかしくなります。
症状の具体例
視界の一部が…
- ギラギラする(光の輪のような)
- ギザギザする(尖った波模様)
- キラキラする(眩しい、光る)
- 見えなくなる(真っ暗、真っ白)
- チカチカする
- ゆがんで見える
- ゆらゆら動く
閃輝暗点の症状は波模様のように動いていることが特徴です。
症状が出ている部分は文字が読めないほど視界が悪くなるため、
初めて経験する方は非常に不安になるかと思います。
また、時間の経過と共に症状の範囲が広くなったり、移動したりします。
多くの場合は60分以内に症状が消失します。早い方だと10分程度で消失します。
閃輝暗点か確認する方法
左目を覆って、右目の視覚異常を確認してください。
step.2
次に右目を覆って、左目の視覚異常を確認してください。
step.3
左右の異常が同じ形状、同じ動きをしている場合→閃輝暗点の可能性が高いです。
閃輝暗点は眼の異常ではなく脳血管の縮小・拡張により起こります。
その為、どちらの眼にも同じ視覚異常が発生するのです。
閃輝暗点の原因
閃輝暗点は脳血管の収縮、拡張によって生じます。
視覚野と呼ばれる視覚に関係する血管の血流が一時的に悪化し、それが解消した際に視覚異常として症状が現れます。
あくまで脳血管が原因であり、眼球自体に異常が発生したわけではありません。
発生理由はストレスや食べ物の影響があると言われていますが、断定することは難しいです。
そのため予防することは困難です。予防策は思い当たる節があれば控えるぐらいしかありません。
閃輝暗点の流れ
通常、閃輝暗点は片頭痛(偏頭痛)とセットになっていて、以下の流れを辿ります。
↓
それが解消される
↓
閃輝暗点が発生する
↓
閃輝暗点の症状が消失する
↓
片頭痛を起こす
基本的には、症状が消失すれば頭痛以外には影響はありません。
しかし、まれに頭痛が発生しない場合があり、その一部は脳梗塞や脳腫瘍などの重大脳疾患によるケースがあります。
閃輝暗点の誤解
閃輝暗点は偏頭痛の前兆症状として認識されています。しかし、実際には偏頭痛ではない方でも閃輝暗点になります。
つまり、実態はこうです。
・偏頭痛の前兆として起こる。
・偏頭痛ではない方にも起こる。
・脳疾患が原因の場合もある。
問題は一部のお医者様が、閃輝暗点=偏頭痛と考えていることです。
ですが、偏頭痛薬を処方しても効かない方が沢山いるはずです。
何故ならその患者様は偏頭痛ではないからです。
当院では2022年に閃輝暗点疑いの方を90名ほど診ました。
その中には偏頭痛の前兆とは考えられない年齢の方が何人もいました。
偏頭痛は高齢になると症状が出なくなる(改善する)傾向にあります。
70歳を超えると女性ではほんの少数、男性に至ってはほぼ皆無という分布です。
しかし、現実にはご高齢の方も閃輝暗点の症状を訴えて来院されます。
閃輝暗点=偏頭痛の前提だと説明が付かないのです。
また、偏頭痛ではない方が多数含まれているのが実情でした。
閃輝暗点後に頭痛症状が出なかった方も同様に非偏頭痛性の閃輝暗点が存在します。
受診が推奨されるケースは?
- 閃輝暗点後に頭痛がない
- 初めて閃輝暗点が起こった
- 頻回に繰り返すようになった
- いつもと違う視野障害が起きた
- 症状が一向に治まらない
推奨される診療科は脳神経外科か眼科です。
但し眼科の場合は「脳神経外科で検査を」となるパターンもあります。
閃輝暗点が脳疾患によるものではないことを確認するためには、
MRIやCT等の脳神経外科にある機器で検査を行う必要があるためです。
脳神経関係の主な診療科は脳神経外科、脳神経内科の二つです。
しかしMRIやCTは全てのクリニックに導入されているわけではありません。
そのため検査機器の有り無しを確認してから受診されることをお勧めします。
尚、推奨はMRIです。
脳梗塞や脳腫瘍の発見はCTよりもMRIの方が優れているからです。
当院でも検査が可能です
当院には「閃輝暗点のような症状で…」という方がよく来られ、閃輝暗点の患者様を日常的に診ています。
恐らく、このような脳神経外科はかなり珍しいと思います。
最近の実例ですと、このようなケースがありました。
閃輝暗点で脳梗塞が見つかった患者様/診療症例12
初めて起こった方は不安になっているケースが多く、脳疾患がない事が確認できると大変安堵されます。
閃輝暗点は治るものではないからこそ、危険な病気ではない事を確認してあげて、せめて安心感を持っていただきたいと思っております。
検査結果の説明はモニターを用いて、実際の撮影画像をご覧いただきながら一緒に確認してもらいます。「問題ないですね。」の一言で終わらせないのは丁寧に説明をし、よく理解してもらうことが患者様の安心に繋がると考えているからです。
おまけの小噺
有名作家の芥川龍之介さんは、閃輝暗点で大変苦しんでおられました。
その詳細は芥川龍之介が閃輝暗点だった話をお読みください。
受診された場合のその後
閃輝暗点が原因だった場合は継続的な受診は必要ありません。
当院は問診から結果説明までを一度のご来院で完了させますので、
基本的には初回のご来院のみで終了となります。
但し、以下のケースは複数回ご来院いただく場合がございます。
・脳疾患が見つかった場合
・脳に気になる箇所があった場合
・採血を行い検査結果のお伝えが後日になる場合
・薬の処方等で症状の変化を確認したい場合
ご来院希望の方へ
当院は横浜市青葉区にある、脳神経外科・脳神経内科クリニックです。
検査機器はMRIです。田園都市線藤が丘駅から徒歩8分です。
閃輝暗点の場合、MRI検査を行います。
事前にお電話にてご予約の上、お越しください。
電話番号:045-482-3800
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記事監修

院長 泉山 仁
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
診療日:月~木曜日、土曜日 駐車場あり
〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7
東急田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分。
初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。
その場合はお手数ですが、数分後に再度お掛け直しください。
電話番号:045-482-3800