本日は芥川龍之介が閃輝暗点だったお話です。
小説家としてお名前を存じている方も多いでしょう。実は彼は重度の閃輝暗点を抱えていました。彼が書いた小説には歯車という作品があります。この歯車とは閃輝暗点の症状が出た時の事を指しています。
彼は35歳で自らこの世を去ってしまいます。閃輝暗点で精神を病んでいった事も原因の一つと言われています。
彼は閃輝暗点の原因を正しく理解していなかった事から、医師に適切な説明を受けていなかったと考えられます。眼科を受診した際には喫煙が原因だという説明をされ、吸う前から出ている症状だと不満を持ったとの記載もあります。
症状から察するに、偏頭痛からくる閃輝暗点で間違いないでしょう。しかし、そうは説明してもらえなかったのです。
閃輝暗点は強い不安感を覚える症状が出ます。視覚的に訴えてくるので怖いです。原因がわからないと本当に不安になります。当院に来られる患者様からも、不安感を払拭したいという思いを強く感じます。
そのため、きっちりとMRIで精査を行い、患者様自身が理解できる説明を心掛けています。「脳疾患が原因ではない。」という事がわかると非常に安心されます。それを聞いてほっとする患者様、笑顔になる患者様が実に多いのです。
残念ながら閃輝暗点に対する薬は存在しておらず、治療法がありません。ですが、多くの患者様を診る中で知見が備わってきたので、必要とする患者様には改善するかもしれない方法をご案内することはあります。
まず、閃輝暗点=偏頭痛とは限りません。これはお医者様でも誤解されている方がいます。ですから、偏頭痛薬を出せば必ず効くわけではないです。また特定の栄養素を補給してもらう事で、起こりにくくなる方はいます。これは時々処方することがあります。
尚、閃輝暗点を伴う偏頭痛持ちは天才が多いという話があります。患者様とのお話でもちょくちょく耳にします。症状が出ている時に天才的な発想が出ると言われていますが、血流の問題が改善した際に出る症状なので、脳が普段と違う状態にあることは確かです。ですので、丸っきり嘘とは言い難いです。そうであっても不思議ではありません。
閃輝暗点をもっと知りたい方へ
こちらの動画をご覧ください。
お役立ちコラム
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
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