コラム

閃輝暗点の性別・年齢別データ

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こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。

本日は閃輝暗点のデータを公開します。


現在当院には多くの閃輝暗点の患者様が来られています。その為、この状況を活かし分析を行いました。データは当院に閃輝暗点で来院した患者様108名から取りました。
閃輝暗点には殆ど研究データが存在しません。特に多人数での検証がありません。ですので、この情報を出す事には意義があると考え一部を公開します。


※転載、引用はご遠慮ください。

閃輝暗点の性別・年齢別分布

男性37%、女性63% 男女比は女性が1.7倍多い
閃輝暗点後の頭痛 あり:約2割 なし:約8割

分布
1位:50代女性 17.6%
2位:30代女性 12.0%
3位:60代女性 10.2%
3位:50代男性 10.2%
5位:20代女性 8.3%

本当に閃輝暗点=片頭痛なのか?

兼ねてより、当院では閃輝暗点は片頭痛とは限らないと伝えてきました。これは医師でも閃輝暗点=片頭痛と誤解している方がおり、間違った認識が広まっていると感じられるからです。

誤解される理由

  1. 片頭痛の前兆症状は閃輝暗点が多いため。
    ⇒前兆のうち9割は視覚的症状なので、片頭痛の前兆症状としての認識がある。
  2. 閃輝暗点の患者様を診る機会が少ないため、経験・知識に乏しい。
    ⇒閃輝暗点の方全員に片頭痛薬を処方する先生もいる。


閃輝暗点=片頭痛であるかどうかは、片頭痛が起きない、あるいはほぼ起きない年齢層に、どの程度閃輝暗点の方が存在するかで証明できます。片頭痛は男性の場合60歳以上の方は殆どいません。


それでは、60代男性70代男性のデータはどうでしょうか?

60代、70代男性:全体の8.2%

女性の方も見てみましょう。
女性の場合は皆無とは言いませんが、それでも片頭痛の方は随分減ります。

60代、70代女性:全体の17.6%


何という事でしょう。
閃輝暗点患者様のうち60歳以上が25.8%です。

多すぎます。閃輝暗点=片頭痛であるなら、あまりにもおかしな数値です。
これで閃輝暗点=片頭痛ではない事がおわかりいただけるでしょう。

当院で閃輝暗点の患者様に片頭痛薬(トリプタンなど)を処方するケースは5%程度です。片頭痛の可能性は否定できないという方まで含めても全体の20%程度です。これにはご来院される患者様の8割が頭痛のない閃輝暗点である事も関係しているでしょう。実際に片頭痛の既往や症状があるか、過去に片頭痛薬が効いたかを聞いても、明らかに片頭痛ではない患者様が多数おられます。

また閃輝暗点が発生しやすい層は10代~30代と書かれている事がありますが、当院が取ったデータで最も多い年齢は50代でした。ボリューム層は中年代~高齢に寄っています。やはり閃輝暗点にはまだまだ未解明な部分が多くあるのだと感じます。

片頭痛でないなら本当の原因は?

緊張型頭痛など別の種類の頭痛が該当すると考えられます。

これは仮説ですが、眼精疲労により脳の後頭葉に負担が掛かると、それが原因で一種の痙攣のような血流障害を起こし、それが視神経を通じて閃輝暗点が出現するという可能性を考えています。この仮説通りなら、片頭痛とは限らない事は当然ですし緊張型頭痛が当てはまるでしょう。

当院では閃輝暗点は身体に負担が掛かる事で出る症状の一つと考えています。疲労感で指の震えや顔の痙攣、立ち眩みが出る方がいます。そのような症状の一つに閃輝暗点があるかもしれないという事です。

閃輝暗点患者様の中には特定の状況下で起こる方がいるのですが、この中に極度の緊張状態やそれが終わった後(ほっとした時)に閃輝暗点が起こる方がいます。疲労との関連性は高いと考えられます。

閃輝暗点で受診をお考えの方へ

当院は閃輝暗点の患者様を多く診ています。直近2年間で200名以上を診ています。これは普通の脳神経外科クリニック様の十倍以上の数です。

これには以下の理由が考えられます。

  • 当院が閃輝暗点の情報を発信している事
  • 閃輝暗点の診療経験が豊富である事
  • 閃輝暗点に関して口伝てでの評判がある事

当院ではただ漫然と診療しているのではなく、目的を持って診療しています。ゆくゆくは閃輝暗点の治療法を確立したいと考えています。現在の医療に閃輝暗点の治療法が存在しない事は重々承知しています。ただ、来られる患者様の中には「治療法があったらいいのな、、」と仰る方もおられます。当院では皆様の閃輝暗点の体験が、治療法の確立に繋がる可能性があると考えています。ご自身の閃輝暗点でお気付きの点が御座いましたら、是非とも診察時にお伝えいただければと思います。

閃輝暗点を詳しく知りたい方へ

こちらの動画をご覧ください。

 

記事監修

院長 泉山 仁

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医

35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。



横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科

診療日:月~木曜日、土曜日 午前:9時-13時 午後:15-18時 駐車場あり

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