最終更新/2023年6月6日
こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。
本日は閃輝暗点(閃輝性暗点)の解説をしていきます。
■漫画でわかる閃輝暗点
作者:ふるえるとり様
ふるえるとり様 twitter:https://twitter.com/torikaworks
ご厚意で掲載許可をいただきました。誠にありがとうございます。
■閃輝暗点の症状
閃輝暗点は一時的に視野障害が発生します。
突然視界がおかしくなります。
症状の具体例
・ギラギラする(光の輪のようなものなど)
・ギザギザする(尖った波模様など)
・キラキラする(眩しい、光ったような感じなど)
・見えなくなる(真っ暗になる、真っ白になるなど)
・チカチカする
・ゆがんで見える
・ゆらゆら動く
閃輝暗点の症状は波模様のように動いていることが特徴です。
症状が出ている部分は文字が読めないほど視界が悪くなるため、
初めて経験する方は非常に不安になるかと思います。
また、時間の経過と共に症状の範囲が広くなったり、移動したりします。
多くの場合は60分以内に症状が消失します。早い方だと10分程度で消失します。
■閃輝暗点の原因
閃輝暗点は脳血管の収縮、拡張によって生じます。
視覚野と呼ばれる視覚に関係する血管の血流が一時的に悪化し、
それが解消した際に視覚異常として症状が現れます。
あくまで脳血管が原因であり、眼球自体に異常が発生したわけではありません。
発生理由はストレスや食べ物の影響があると言われていますが、断定することは難しいです。
そのため予防することは困難です。予防策は思い当たる節があれば控えるぐらいしかありません。
■閃輝暗点は危険なのか?死ぬのか?
通常、閃輝暗点は片頭痛(偏頭痛)とセットになっており、以下の流れを辿ります。
↓
それが解消される
↓
閃輝暗点が発生する
↓
閃輝暗点の症状が消失する
↓
片頭痛を起こす
基本的には、症状が消失すれば頭痛以外には影響はありません。
しかし、まれに頭痛が発生しない場合があり
その一部は脳梗塞や脳腫瘍などの重大脳疾患によるケースがあります。
ほぼ死ぬ事はありません。しかし100%死なないとは言い切れません。
実際に閃輝暗点の原因が脳梗塞や脳腫瘍であり、かつ容態が悪い場合は亡くなるなることもあり得るからです。
■閃輝暗点の誤解
閃輝暗点は偏頭痛の前兆症状として認識されています。しかし、実際には偏頭痛ではない方でも閃輝暗点になります。
つまり実態はこうです。
・その一方で偏頭痛持ちではない方にも起こる。
・そして稀に脳疾患の方が含まれている。
問題は一部のお医者様が、閃輝暗点=偏頭痛と考えていることです。ですが、偏頭痛薬を処方しても効かない方が沢山いるはずです。何故ならその患者様は偏頭痛ではないからです。閃輝暗点は脳血管に収縮、拡張が起こった後に頭痛が発現します。この頭痛が緊張型頭痛であるケースも存在するのです。
これには裏付けがあります。当院が閃輝暗点の患者様を多く診てきた上で述べているからです。2022年は閃輝暗点疑いの方を90名ほど診察しました(脳神経系クリニックではかなり多い診療数だと思います)。そして、その中には偏頭痛の前兆とは考えられない年齢の方が何人もいらっしゃいました。偏頭痛は高齢になると症状が出なくなる(改善する)傾向にあります。そのため70歳を超えても偏頭痛の症状がある方は限られています。女性ではほんの少数、男性に至ってはほぼ皆無という分布です。しかし、現実にはご高齢の方も閃輝暗点の症状を訴えて来院されます。閃輝暗点=偏頭痛の前提だと説明が付かないのです。
また、患者様の年齢を問わず偏頭痛持ちであるかどうかの確認も行ってきましたが、偏頭痛ではない方が多数含まれているのが実情でした。その証拠に「私は偏頭痛薬が効かないが閃輝暗点の症状が出る」という方を何人も診ています。閃輝暗点後に頭痛症状が出なかった方も同様に非偏頭痛性の閃輝暗点が存在します。
■受診が推奨されるケースは?
・初めて閃輝暗点が起こった
・頻回に閃輝暗点を繰り返すようになった
・いつもと違う視野障害が起きた
・閃輝暗点が一向に治まらない
推奨される診療科は脳神経外科か眼科です。
但し眼科の場合は「脳神経外科で検査を」となるパターンもあります。
閃輝暗点が脳疾患によるものではないことを確認するためには、
MRIやCT等の脳神経外科にある機器で検査を行う必要があるためです。
※脳神経関係の主な診療科は脳神経外科、脳神経内科の二つです。
しかしMRIやCTは全てのクリニックに導入されているわけではありません。
そのため検査機器の有り無しを確認してから受診されることをお勧めします。
■当院でも閃輝暗点の検査が可能です
当院はMRIを導入しており、「閃輝暗点のような症状で…」という方が来られます。
このような動機で来院される方は少なくないため、症例経験も豊富です。
閃輝暗点が初めて起こった方は不安になっているケースが多く、
脳疾患がない事が確認できると大変安堵されます。
検査結果の説明はモニターを用いて、
実際の撮影画像をご覧いただきながら一緒に確認してもらいます。
「問題ないですね。」の一言で終わらせないのは
丁寧に説明をし、よく理解してもらうことが患者様の安心に繋がると考えているからです。
■当院を受診された場合のその後
閃輝暗点が原因だった場合は継続的な受診は必要ありません。
当院は問診から結果説明までを一度のご来院で完了させますので、
基本的には初回のご来院のみで終了となります。
但し、以下のケースは複数回ご来院いただく場合がございます。
・脳疾患が見つかった場合
・脳に気になる所見があった場合
・採血を行い検査結果のお伝えが後日になる場合
・薬の処方等で症状の変化を確認したい場合
■ご来院を希望される方へ
閃輝暗点の場合、MRI検査を行います。
事前にお電話にてご予約の上、お越しください。
電話番号:045-482-3800
2022年7月現在、googleの口コミにて4.9の評価をいただいております。
※5点満点中4.9点です。
口コミの内容はこちらでご覧いただけます。
記事監修

院長 泉山 仁
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
35年以上の経験を持つベテラン医師。モットーは真心のある診療。患者様にしっかりと説明を行い、よく理解してもらう事を大切にしている。気さくで親しみやすい診療が評判を呼んでいるが、実力の伴う医師である事も重要だと語る。現在もその経歴に奢ることなく勉学に励み続けている。