こんにちは。
横浜市青葉区の脳神経外科・脳神経内科、横濱もえぎ野クリニックです。
本日は強い頭痛で受診された患者様のお話です。
- 四日連続で頭痛が起きている
- 頭の前側が痛い
- 痛みが強く就寝中にも起きてしまう
- 左眼の奥も痛む
- 市販の痛み止めは効くがすぐに再発する
問診の時点では群発頭痛を考えました。群発頭痛は決まった時期に激烈に起こるもので、症状が合致していたのです。多少鼻声であり副鼻腔炎の可能性もありますが、群発頭痛が濃厚という印象を持って検査に回ってもらいました。
結果は副鼻腔炎でした。副鼻腔に詰まりが起こっている位置と左眼の位置も合うため、頭痛の原因はこれでほぼ確定です。
鼻の中の空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。
鼻水や膿が溜まり悪化した状態です。
代表的な症状
・鼻詰まり
・鼻水
・頭痛
・顔面痛
・咳
検査後に副鼻腔炎である事を伝えると、「実は鼻が悪く、過去に副鼻腔炎の治療をしたことがある。」との事でした。お話をした結果、以前副鼻腔炎の治療をしてくれた耳鼻咽喉科様に行くという事で纏まりました。
実は頭痛の原因が副鼻腔炎という方は想像以上に多いです。当院ではすぐに鼻の治療を必要とする状態の方が年に100人以上見つかります。その半分以上は頭痛の原因がまさか鼻だとは思っていません。尚、年に100人以上というと随分数が多いですが、当院が耳鼻咽喉科と特別な提携をしているわけではありません。普通の脳神経外科クリニックです。
なぜ脳のMRIで副鼻腔炎が見つかるのか?
頭のMRI検査では鼻も一緒に映ります。その為、どちらも一緒に確認ができるのです。
こちらは当院のMRIで副鼻腔炎が見つかった方です。顔を正面から映したものになります。片側の副鼻腔炎がパンパンに詰まっており、真っ白になっています。反対側の副鼻腔炎には詰まりがなく黒いので、違いがよくわかると思います。
MRIやCTのない脳神経内科、脳神経外科で発見可能か?
判断が難しい方がいる事は否めません。頭の前が痛いという方全員に鼻詰まりの度合い、副鼻腔炎の経歴を聞くことが無難ですが、全員に聞いているお医者様は少ないでしょう。疑いを持ったところで自院で調べようがない為、確定診断も出せません。また脳内を精査しないため、実は副鼻腔炎だったという発覚パターンもなく、見逃しは起きやすいと思います。ただ、これは設備の関係上仕方がないとも言えます。
おまけの小話
レントゲンは副鼻腔炎の診断は確実性に欠けるため、信頼度としては下位の検査手段になります。レントゲンよりもMRI、CTの方が確度の高い検査ができます。それより更に確度が高い検査は鼻の内視鏡です。
当院でできること
当院は脳神経外科・脳神経内科を標榜しています。頭痛が起きている場合はMRI検査にて、脳の病気ではないか、副鼻腔炎でないかを両方確認する事ができます。副鼻腔炎が見つかった場合は耳鼻咽喉科様へご案内します(当院には治療機器がないため、専門領域でないため)。脳の検査を希望される方は当院を経由して耳鼻咽喉科へ行くのも一つの選択肢です。尚、初めから副鼻腔炎だと検討が付いており、かつ頭の検査を必要としない場合は、直接耳鼻咽喉科を受診してください。
記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日
初診でMRI希望の方は事前にお電話にてご予約ください。
当日のご予約も可能です。
電話番号:045-482-3800