椎骨動脈解離、解離疑いのセカンドオピニオンについて

本ページは下記の方を対象としています。

  1. 既に他院を受診済みで、椎骨動脈解離と診断された
  2. 解離ではない、またはわからないと診断された
  3. 後頭部痛で受診したが、解離についての説明がなかった


当院には他院受診後の患者様から
「改めて先生のところで診て欲しい」とのお問合せがあります。

基本的には一度行かれた医院への通院が定石です。ですが、この病気の場合は当院だからこそ、お役に立てる要素があります。そのため、状況次第でお受けしています。

そこで今回は、当院で診療できる方・診療できない方のご案内をします。まずは現状をお知らせします。

椎骨動脈解離の現状

当院は解離疑いの方を年間200名以上診ています。その中から年間20名以上の解離を発見しています。これは通常の脳神経外科クリニックであれば、年間の発見数は2~4名ほどが中央値だと思います。数字的には圧倒的に多く診ている、見つけている状況です。

そして、当院で見つかる解離のうち5人に1人が、他院で解離と診断されなかった方です。いわゆる「見逃し」が起こった患者様です。

・解離ではない、わからないと診断された
後頭部痛で受診したが、解離についての説明がなかった

この流れで当院を受診された方は数十名おられますが、改めて当院で診た結果2割以上の方から、解離が見つかります。ですので、当院が改めて診ることで、患者様の納得・解決に繋がると捉えて診ております。

当院で診療可能な患者様

  • 解離で脳梗塞、くも膜下出血を発症していない方
  • 解離で脳梗塞、くも膜下出血発症したが、既に治療が終わっている方


これらの方が希望される診療は、概ね以下の通りです。

A.当院の検査方法、当院の方針で改めて検査を行い、見解を聞きたい
B.誤診や見逃しが起きており、実際は解離ではないかと不安がある

このモヤモヤに対して、当院なりの説明と見解をお伝えさせていただきます。実際に患者様とお話をして、雰囲気から感じ取る範囲では、ほぼ全員が納得してお帰りになられていると感じています。

当院で診療できない患者様

    • 解離と診断され他院様で通院、治療を行っている
       →通院中に他院介入は、情報面や関係性の面から患者様のデメリットが大きいため

    • 既に脳梗塞、くも膜下出血を発症している
       →クリニックレベルで対処できない、入院での治療が必要とされるため

    • 痛みをどうにかして欲しい
       →当院が特別な痛み止めを出したり、特別な治療が行えるわけではない

患者様目線での納得とは?

診察で最も大切な事は、ご本人がよく状況を理解し、納得できるかどうかだと考えます。ですので、MRIで椎骨動脈付近をより詳しく、様々な方法で撮影し、その画面を実際に見せながら、こうこうこうだから解離である、こうこうだから解離ではないと説明します。

100%の理解は難しいですが、ある程度は理解していただき納得に至るだけの材料が必要です。そのためには、丁寧な説明は勿論のこと、医師の経験や信憑性も欠かせません。椎骨動脈解離においては、これを出来るクリニックが殆どないのが現状です。なぜなら、医学的に学ぶ内容と実態が異なりますし、何より実例を見る機会が不足しています。

なぜ解離を見落とすのか?

MRIの画像上出血が確認できないだけで、解離ではないです。と言ってしまう医療機関があります。大きな病院ですら、こう答えるケースがあります。しかし、これはあまりにも安直で間違った判断です。

なぜなら、出血がない=解離ではないとは限らないからです。これは患者様のその後を追えばわかります。

出血のない椎骨動脈解離については、下記の記事をご覧ください。
出血のない椎骨動脈解離について

解離疑いがある箇所が時間経過と共に変化=治っていけば、解離だったとわかるのです。解離が動脈瘤となり変化しないケースは稀にありますが、そのケースを除ければ血管の形、血流に変化が起こります。なぜなら、解離は治る病気だからです。

逆に言いますと、解離をしっかり見つけて、治るまでの間、脳梗塞・くも膜下出血のリスクを下げる事が、この病気の最も重要な点です。そのためには解離であるのか、解離ではないのかを、ちゃんと検査・判断してもらわないといけません。これが出来る病院、クリニックが少ない事が問題です。

解離を見つけた後は?

クリニックで見つかる解離の大半は、脳梗塞の発症リスクが高い解離です。まずは血管・血流が回復するまで首に負担を掛けぬよう、注意して生活することです。これはご自身の意識だけで実行できます

そして、脳梗塞が起こる可能性が高い場合は、血をサラサラさせるお薬で、脳梗塞予防の治療ができます。但し、これは医学的に効果が証明されていないので、処方の有無は医師により見解が分かれます。実際に処方する医師は半数程度でしょう。ちなみに、これまで当院が脳梗塞予防の治療を行った患者様で、後に脳梗塞を発症したという報告は1例もありません

尚、これらの事実は大学や研修で教えてもらえません。学術的には椎骨動脈解離は稀な病気であると教えられます。ですから、後頭部痛を訴える患者様に対して、最初に疑う病気ではないと考える先生が多いのです。

受診前にお電話ください

当院は電話予約制となっております。

電話番号:045-482-3800

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
〒227-0048 神奈川県横浜市青葉区柿の木台4-7

最寄り駅
東急田園都市線「藤が丘駅」徒歩8分

当院までの目安時間
渋谷駅:約40分 二子玉川駅:約30分 中央林間駅:約25分 町田駅:約25分 新横浜駅:約35分 横浜駅:約50分

地図・駐車場・住所情報→アクセス

 

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分

診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

 
電話番号:045-482-3800

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