本日はどこの病院へ行けばいい？ 脳神経外科編です。
まず患者様がよく感じる問題として以下の点が挙げられます。
患者様がよく悩む要素
- 病院を選ぶ必要はあるのか？
- そもそも脳神経外科でいいのか？
- 検査はやった方がいいのか？
- MRIとCTはどちらが良いのか？
- 何を基準に病院を決めれば探せば良いのか？
この記事でそれが全てわかります。
Q1.病院を選ぶ必要はある？
はい、脳神経外科は選んで行かれることをお勧めします。
命にかかわる病気の可能性が考えられるため、信頼できる病院で検査をしてもらう事が大切です。頭痛で病院へ行く場合は本人に自覚症状、心配な気持ちがあります。これは即ち頭痛の原因が悪い病気ではないか→脳疾患ではないか＝最悪死に至るようなものではないかということを確認することが第一目的なのです。
勿論、頭痛を解決したい気持ちもあると思いますが、まずは悪い病気ではないかの確認です。その証拠にMRIの結果説明を適当に聞く患者様は一人もいません。これは誰もが大切な事だと認識している証拠です。そして脳に問題がなかった場合に、じゃあ頭痛の原因は何か？どんな薬が効くのか？解決方法は何か？といったフェイズに移っていきます。
Q2.大病院とクリニック、どちらが良い？
クリニックをお勧めします。
大きな病院＝検査機器が最新とは限らないということ→即ち大病院に優位性がありません。大きな病院では検査を受けるまでに時間の掛かる場合が多いこと→撮れるのは2週間後や4週間後というケースは普通です。検査機器を持つクリニックは思ったよりも多くあること→都市部では1~4駅に1つぐらいの割合、地方でも点在しています。
Q3.自分が行くのは脳神経外科で良い？
脳に問題があると考えられる場合は脳神経外科です。
具体的には頭痛やめまい、しびれ、身体が思うように動かない等。
脳神経外科は手術による治療を行う診療科です。ですが、これは大きな病院での意味であり、クリニックでの性質は異なります。クリニックの脳神経外科は検査機器（MRIやCT)を設置している率が高く、精密検査による脳疾患の発見に長けている診療科です。手軽に大病院並みの検査を受けられる事が最大のメリットです。尚、クリニックですから手術は行いません。
脳神経内科は診療対象の患者様は近しいですが、標榜科目に脳神経外科がない場合は検査機器を設置していない率が高いです。つまり検査をしたくない場合は、検査機器のない脳神経内科へ行くという選択肢もあります。ですが、そこでの治療で解決しない場合は最終的に他院での検査を薦められる事はよくあるケースです。
Q4.脳の検査はMRIとCTどちらが良い？
MRIをお勧めします。
理由はMRIは血管撮影が容易なため、情報量が多いためです。CTは色の濃淡表現が苦手で病変の発見に影響があります。CTが完全な下位互換とは言いませんが、脳の撮影ならMRI優位です。局所的にはCTが上回る状況はありますが、総合的にはMRI優位が一般論です。脳疾患疑いの場合、脳血管障害の精査は非常に重要ですが、CTの場合は造影剤を使わないと血管撮影ができないため、この点において明確な違いがあります。
Q5.何を基準に病院を選べば良い？
以下の内容から総合的に判断してください。
1.頭痛の受診は検査機器のある病院をお勧めします。
２.検査方法はCTとMRIの二択です。総合的観点ではMRIを推奨します。
３.検査機器は大学病院の方が優れているという事はありません。ですから、クリニックで探すことをお勧めします。
４.即日検査ができないクリニックも多いです。受診前に必ず確認してください。
５.診察への取り組み方は口コミが一定の指標になります。お勧めはgoogleの口コミです。口コミの数が多い事、管理サイト側の忖度がない事がその理由です。
6.頭痛で病院巡りをしている方は、頭痛外来を専門とするクリニックをお勧めします。ただ頭痛外来標榜しているだけでなく、それをメインとしているクリニックを選んでください。
7.頭痛の診断能力は以下の点を参考にしてください。頭痛専門医の資格持ちか、問診をしっかり行うか、診療方針を明確に打ち出しているか、診断理由が明確か、症状の訴えに耳を傾けるか、医師としての経験が豊富か、開業からある程度時間が経過しているか。
8.急激に発生した頭痛、かつ激烈な頭痛はくも膜下出血の可能性があります。その場合はクリニックではなく救急車を呼んでください。
Q6.患者様へのアドバイスは？
クリニック毎の診療レベルの差はかなり大きいです。10分だけでも良いので調べてから行かれる事をお勧めします。
他の脳神経外科を経由して当院へ来られる患者様が後を絶ちませんが、患者様にとっては二度手間です。私たちも歯痒い思いです。患者様が複数の病院を回る事になる理由の大半は、その病院の診療に不満があるか、問題が解決しなかったからです。予めしっかり病院を探して行く事で、そうなる確率は下げられます。少なくとも、検査結果の説明と疑われるべき原因についてはしっかり伝えられるべきです。
しかし、現実は「MRIは異常なしですね。痛み止め出しますか？」といった診療が横行しています。これでは治るものも治らないですよね。当院ではこのような現状を反面教師として、明確にわかりやすく伝えることを大切にしております。
当院の役割はこのような患者様の受け皿になる事です。
- すぐに検査、結果説明を受けたい方
- これまでに頭の検査をやったことがない方
- 症状に強い不安を感じる方
- 初めての脳神経外科受診
- 初めてのMRIで不安な方
当院では1回の受診で診察、検査、結果説明まで行います出来るだけ少ない通院回数で済むようにと考えています。当院の場合、遠方から来られる方も多いからです。
そして、明確なポリシーを持って診療を行っています。
- 当日のご予約、ご来院が可能
- 1回で診察,検査,説明を実施
- 患者様が理解できる説明
- 平均の1.5～2倍の枚数を撮影
- 重大脳疾患発見時の対応
時には儲けるとは真逆の方面になる事もあります。ですが、他のクリニックがどうだからとか、収益にならないからではなく患者様が満足して帰っていただくかが大切だと考えます。これが綺麗事なのか、実態を伴っているかは、口コミやコラムの内容から汲み取っていただけると思います。
長くなりましたが、少しでも皆様の病院探しのお役に立てましたら幸いです。
今日もよい一日をお過ごしください。
病院選びの具体的な方法についてはこちらの記事も参考になると思います。ぜひお読みください。
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記事監修
院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療：要予約制 診療日：月～木曜日、土曜日