ストレートネックの「薬に頼らない」治し方と症例解説/診療症例22

院長 泉山 仁
執筆・監修 医師紹介 ▶
院長 泉山 仁 (脳神経外科専門医)
昭和大学横浜市北部病院 脳神経外科元部長、市ケ尾カリヨン病院元病院長。専門医として日々の診療で得た知見に基づき執筆します。

患者様の状況

  • 30代女性の方
  • 頭痛がある
  • 肩こりがある
  • どちらも慢性化している

MRI検査では特に脳に異常は認められませんでした。
但し、首には重度のストレートネックが確認されました。

ストレートネックの患者様の画像
※印刷した画像を写真で撮りましたので、画質は良くないです。

▶ ストレートネックとは? 

正常な首とストレートネック
本来、人の首(頸椎)は緩やかなカーブを描いて頭を支えています。しかし、ストレートネックの方は、首の自然なCの字状のカーブが失われ、首の骨が真っ直ぐに近い状態になっています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ストレートネックとは?原因・症状・改善方法を画像付きでわかりやすく

 

ストレートネック自体は、現代では珍しい事ではありません。スマートフォンの利用で、前屈みの体制を取る方が多いからです。ただ、皆がなるものだから仕方ないとは言い切れない部分があります。ここでもう一度先ほどの方の首を見てみましょう。

ストレートネックの患者様の画像

完全に首がストレートになっています。一般的にストレートネックを紹介する画像では、わかりやすい解説するためにストレートネックの症例は首が真っ直ぐになっていますが、実際にはそこまで極端な方は限られています。カーブの曲がりが減り真っ直ぐに近い状態になっているが典型例です。この方のレベルまでに真っ直ぐになってしまうと、ほぼ頭痛か首の痛みで困っている方です。

 

▶ ストレートネックの原因

私が医師となってから40年ほど経ちました。その中でも、ストレートネックの患者数の増加と、度合いの悪化は年々深刻化しています。30年前と比べると、それはもう明らかにストレートネックの方の母数が違います。特に顕著なのが携帯電話が浸透してきた2000年代中盤以降です。

携帯電話を使う時は、どうしても屈む姿勢になりがちです。スマホを高く構えて、顔の真正面に持って使う人などいませんから。

何も考えずにいれば、自然とこういう姿勢になりますよね。
前屈みの姿勢 スマホの覗き込み


ただ、やはりこの姿勢は首にとても負担が掛かります。頭の重さが首への負担となるのです。

▶ 首への原因は数倍になる

角度別にどの程度負担が掛かるか?
角度別の首の負担

電車で座っている方のスマホの使い方を見てみてください。30度ぐらい傾いている方も珍しくありません。これは通常の3~4倍の負担を掛けていることになります。頭痛が起こるのも無理はないのです。

▶ 薬で治るものではない

ここからが大切な部分です。「良い先生に相談すれば治るもの」と勘違いされている方がいます。ですが、どんな薬を使っても根本的な原因は解決されません。ですから、治りません。痛み止めは一時しのぎに過ぎないのです。

当院では、湿布をお渡しすることもあります。よく効く湿布です。
ロコアテープとは?なぜ痛みに効くのか?怖い薬なのか?

一時的に頭や首の不調が解消される方は非常に多いです。ですが、この薬を持ってしても治るわけではありません。では、どうすれば治るのか?

▶ ストレートネックの治し方

自分自身が姿勢に気を付ける。これしかありません。ガッカリしてページを閉じないでください。もう少しお読みください。難しい話ではないのです。意識するのは頭の位置・肩・背中です。

悪い姿勢
悪い姿勢
*頭が前に垂れている
*巻き方
*背筋が丸まっても起きやすい

良い姿勢
良い姿勢
*首が起きている
*背筋が真っ直ぐ
*目線が正面


正直目線で言います。日頃から姿勢の悪い方が、いきなり2枚目のような状態になるのは厳しいです。ですが、いきなり完全な形ではなくても良いのです。今よりも良い姿勢、今よりも負荷を減らす姿勢にすることが大切です。

ストレートネックには、これ以上悪化させない、できれば良くするという考え方が重要です。

経験上、若年層の方なら、姿勢の改善だけで骨の形が元に戻ってくる場合があります。

実際に良くなった方の記事がこちらです。
ストレートネックは治る?実例を紹介します


▶ チェックポイント

真っ直ぐになった首は簡単に戻りません。しかし、だからと言って諦めては、永遠にこの悩みと付き合っていく事になります。
少しでも良くするという気持ちを持ってください。手の位置、肩の位置で楽になる方もいます。

巻き肩とかすくみ肩とでも言いましょうか。身体の中央に向かって、身体の内側に向かって、丸まった姿勢になると、前屈みなりやすいです。

両手を後ろに組んでみてください。
姿勢のチェック

この時、身体が起き上がる方は前屈みになっています。日常生活で、顔の位置がどこにあるのかを何度か確認してみてください。おそらく、顔が前に突き出している場面が多いです。これを意識で改善しようという試みです。何とかしたいなという気持ちです。

身体は替えの効かない大切な資本です。一日に2、3回でも良いです。姿勢を気に掛けてあげてください。

記事監修

院長 泉山 仁

・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医

平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業

横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分

診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日

 
電話番号:045-482-3800

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