こんにちは、横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科です。
当院では閃輝暗点の患者様を非常に多く診ています。その数は直近3年間で300人以上です。
診察では具体的にどのようなものが見えたかをお伺いしています。
しかし、これが驚くほどバラバラな事を仰るのです。
例えば、、
- 万華鏡のようなキラキラが見えた
- ノイズの多い虹のようなものが出た
- ブーメランのような形の尖ったギザギザが動いていった
などなど…
そして色にも個人差があります。
無色透明系の方もいれば、金色系、黒と白など。
形も違います。
円筒形のようなものから、真っ直ぐなものまで多種多様。
唯一ほぼ共通する点は、プリズム系のキラキラである事です。
光が反射するような物体が出ます。
これを眩しいとかチカチカすると、表現して伝えてくれます。
これだけ患者様の見るものが異なるため、何か傾向が掴めないかと探ってみました。
しかし、残念ながら診断に有効な偏りは見受けられませんでした。
重要なのは、個々の見え方の特徴よりも、それが本当に閃輝暗点なのかを判断する事でした。
たまに光視症や緑内障を、閃輝暗点と誤解されているケースがあります。
両方とも眼の病気なのですが、少し症状が似ている部分があり患者様が間違える事があります。
チカチカする、虹のような輪が出る等の自覚症状だからです。
ですので、怪しいと感じるケースは「念のため眼科にも行ってください」とお伝えしています。
この部分に関しては経験がものを言う要素です。
日常的に閃輝暗点の患者様を診ている医師でないと判断が難しい場合もあります。
しかし、残念なことに、閃輝暗点を沢山診ている脳神経外科医は殆どいないです。
例えば「それは閃輝暗点ではなく幻覚ですよね?」と言えるような、明らかに違う症状なら判断が容易です。
ただ、数百人診てきた経験から言いますと、患者様の伝え方には結構曖昧な部分がありす。
こちらである程度補って判断してあげないといけないケースも多々あります。
眼の症状=閃輝暗点といった安直な予測が一番良くないので、
医師は「本当に閃輝暗点なのか?」という視点で診療に臨むことがベターです。
実は閃輝暗点は稀な病気ではなく、多くの人がが経験している病気だと考えています。
医学的な条件から当てはめると、閃輝暗点になる方は2%程度です。
ですが、当院で調べてみたところ実際には約15%もいるという面白いデータが出ました。
そちらの内容に関しては、いずれ記事にして発信します。
関連コラム
閃輝暗点の記事、他にもあります。宜しければご覧ください。
- 閃輝暗点の原因/なぜ閃輝暗点は起こるのか?
- 閃輝暗点の治し方、起こる状況、誤解
- 閃輝暗点で脳梗塞が見つかった患者様/診療症例12
- 芥川龍之介が閃輝暗点だった話
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記事監修

院長 泉山 仁
・横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 院長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
平成27年 市が尾カリヨン病院 病院長
平成29年 青葉さわい病院 副院長
令和元年 横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 開業
田園都市線藤が丘駅より徒歩8分、青葉台駅より徒歩13分
診療:要予約制 診療日:月~木曜日、土曜日